東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに反発となりました。104円安の38,591円で寄り付いた日経平均は取引開始から30分弱で295円安の38,400円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に下げ渋ると70円安の38,625円で前場を終えました。96円安の38,599円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を縮め13時過ぎにプラスに転じると大引け間際に144円高の38,840円まで上昇し結局111円高の38,807円で取引を終えています。一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

日産(7201)が一時3.2%高となりました。ホンダ(7267)と電気自動車(EV)関連事業で協業を検討していると伝わったことを材料視した買いが入りました。ホンダも一時2.0%高となっています。雪印メグミルク(2270)も一時15.4%高となり昨年来高値を更新しました。2024年3月期の純利益の見通しを上方修正し、年間配当計画を従来計画から20円積み増し80円にすると発表したことを好感した買いが入りました。業務用プリンターメーカーのローランド ディー.ジー.(6789)も一時8.4%高となり昨年来高値を更新しました。ブラザー工業(6448)がローランド ディー.ジー.に対して買収を提案し、1株5,200円でTOB(株式公開買い付け)実施すると発表したことで大幅高となりました。上期決算を発表したラクスル(4384)も一時16.1%高となりました。印刷サービス関連などの主力事業が拡大していることなどから2024年7月期の業績予想を上方修正したことに加え、自社株買いを発表したこともあり大幅高となりました。また、中国の大手銅精錬会社が異例の協調減産を実施することで合意したと伝わったことを受けて銅価格が上昇したことから三菱マテリアル(5711)や住友金属鉱山(5713)、DOWAホールディングス(5714)が高く、三菱マテリアルが9.7%高となり昨年来高値を更新したほか、住友金属鉱山が一時7.8%高、DOWAホールディングスも一時5.1%高となりました。一方でポーラ・オルビスホールディングス(4927)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時3.5%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は111円高となりました。昨日の米国市場で半導体株が売られたことを受けて下落して始まると一時は300円近く下げる場面もありましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと後場に入ってプラスに転じ上げ幅を三桁に広げました。そのため押し目買い意欲は引き続き強いといえそうで、相場の底堅さが改めて意識されそうです。なお、日本時間の21時30分に米新規失業保険申請件数や2月の米卸売物価指数(PPI)、2月の米小売売上高が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)