東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに大幅反発となりました。88円高の39,254円で寄り付いた日経平均は直後に58円高の39,224円を付けた後大きく上げ幅を広げると前引け間際に721円高の39,888円まで上昇し717円高の39,883円で前場を終えました。706円高の39,872円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を広げ14時50分に824円高の39,990円まで上昇すると結局744円高の39,910円で取引を終え史上最高値を更新しています。一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

未定としていた2024年3月期の期末配当を発表したパナソニックホールディングス(6752)やエムスリー(2413)に株主還元の強化を評価した買いが入りました。パナソニックホールディングスは未定としていた2024年3月期の期末配当を前期末比2円50銭増の17円50銭にすると発表したことで一時4.0%高となり、エムスリーも未定としていた2024年3月期の期末配当を前期末比2円増の21円にすると発表したことで一時3.1%高となりました。バンダイナムコホールディングス(7832)も一時2.7%高となりました。2024年3月期の年間配当予想を従来から40円積み増し60円にするとしたことや、発行済み株式総数の0.9%にあたる600万株、200億円を上限とする自社株買いを発表したことで買いが優勢となりました。MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)も一時3.8%高となり上場来高値を更新しました。3月31日を基準日として1株を3株とする株式分割を発表したことで投資家層の拡大を期待した買いが入りました。また、昨日の米国市場で半導体株が買われた流れを受けて半導体関連銘柄が高く、東京エレクトロン(8035)が一時5.0%高、SCREENホールディングス(7735)が一時3.7%高、アドバンテスト(6857)が一時3.2%高、ディスコ(6146)も一時3.8%高となり、東京エレクトロンとディスコは上場来高値を更新しています。さらに日本郵政(6178)が目標株価の引き上げを受けて一時3.6%高となり昨年来高値を更新したほか、ネクソン(3659)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時5.5%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は744円高となりました。1月の米個人消費支出(PCE)物価指数の伸び率が市場予想並みとなったことでインフレへの過度な警戒感が薄れ、ハイテク株を中心に買いが入り昨日の米国市場が反発し、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから大幅高となりました。上げ幅を大きく広げる展開となり、2月27日に付けた最高値(39,239円)を大幅に上回り40,000円の大台まで後10円ほどに迫る場面もありました。そのため週明け早々にも40,000円を付ける場面がみられそうです。なお、日本時間の2日午前0時には2月の米ISM製造業景況感指数や2月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)