今週(1月26日~2月1日)の相場動向
相場回顧 BTC:ETFへの新規流入が継続するも上値は重い
ビットコインは、米国でビットコイン現物ETFが承認された後に売りが強まっていたが、グレースケールのETF【GBTC】からの資金流出が鈍化し、BTC=588万円(40,000ドル)付近で底堅く推移した。
一方で、ブラックロックとフィデリティを中心に新規銘柄への資金流入が継続し、次第に買戻しが強まった。また香港で初めてビットコイン現物ETFが申請され、米国外でのETF上場への期待が高まった。さらにソラナがミームコインブームやプロジェクトのトークン配布キャンペーンなどで強い値動きとなったことも相場を押し上げた。
しかし、FOMCにかけては様子見ムードが広がり、BTC=639万円(43,500ドル)付近で上値が重くなった。国際通貨基金(IMF)が発表した世界経済見通しでも米国経済成長率の予想が引き上げられ、米国における早期利下げ観測が後退した。その中、FOMCでは政策金利が市場予想の通り据え置きとなったが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が3月の利下げ開始に否定的な見方を示し、これを受けて米国株とともに売りが強まった。
来週(2月2日~2月8日)の相場予想
BTCはETF以外の材料が乏しく売りに警戒だが、米国株と金利次第で底堅いか
米国ではFOMCの結果を受けて3月利下げ観測が後退している。このまま堅調な経済指標が続いて米国経済の強さが示唆された場合には、米国金利の高止まりとともにリスク資産の売りが強まることは考えられる。一方で、ハイテク株をはじめ企業決算が好調となり、米国株が史上最高値を伸ばした場合には暗号資産も同様に買いが強まることはあるだろう。
ブラックロックのETF【IBIT】の運用資産が20億ドルを突破し、このまま米国のビットコイン現物ETF全体で純流入が増えた場合には、相場全体が上昇の勢いを取り戻す可能性はある。香港でも資産運用会社が現物ETFを申請する動きがあり、その審査が前向きに進めば、より多くの新規参入が期待されて買いが強まるだろう。
また来週はイーサリアムが「Dencun」と呼ばれる次期大型アップグレードの最終テストを控えている。それが予定通り完了した場合にはメインネットでの実装に向けて期待が高まり、イーサリアムの買いとともにビットコインが上昇することは考えられる。
しかし、米国でビットコイン現物ETFの取引が始まってからは目立った材料に乏しい。価格上昇が一服する中でミームコインが注目を集めるなど投機的な動きも出ており、その過熱感から売りが強まることには警戒が必要である。
直近、上値としてレンジ半ば付近であるBTC=647万円(44,000ドル)、下値として1月後半に記録したBTC=566万円(38,500ドル)を意識する。