【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 37,440.34 △10.15 (1/4)
NASDAQ: 14,510.30 ▼81.91 (1/4)
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は良好な雇用関係の経済指標の発表を受けて米経済のソフトランディング(軟着陸)期待が強まり上昇しましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株の一角が売られたことで下落となりました。ダウ平均は4ドル安でスタートすると直ぐにプラスに転じ昼前に286ドル高まで上昇しました。しかし、その後伸び悩むと午後に入って上げ幅を縮め結局10ドル高の37,440ドルで取引を終え反発となりました。一方でS&P500株価指数が16ポイント安の4,688ポイントと4日続落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も81ポイント安の14,510ポイントと5日続落となっています。
2.経済指標等
ADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は前月比16万4000人増となり市場予想を上回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万8000件減の20万2000件となり市場予想以上に改善しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービス、情報技術などの8業種が下げ、エネルギーが1%を超える下落となったほか、一般消費財・サービスも1%近く下げました。一方でヘルスケアと金融、資本財・サービスの3業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では大幅な減配を発表したウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]が5%以上下落したほか、ナイキ[NKE]とウォルト・ディズニー[DIS]、シェブロン[CVX]も1%以上下げています。また、アップル[AAPL]も投資判断と目標株価の引き下げを受けて1%を超える下落となりました。一方でメルク[MRK]が2%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、中国発の動画共有アプリ「TikTok」が米国でのネット通販事業を拡大させる方針だと伝わったことからアマゾン・ドット・コム[AMZN]が2%を超える下落となっています。さらに決算速報を発表した自動運転車技術のモービルアイ・グローバル[MBLY]が通期の業績が減収減益になるとの見通しを示したことから24%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は良好な雇用関係の経済指標の発表を受けて早期の利下げ観測がやや後退し0.08%高い4.00%となりました。こうしたなかドル円はさらに円安に振れ144円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか今晩に米雇用統計の発表を控えていることから様子見ムードの強い一日となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)