【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 37,430.19  ▼284.85 (1/3)
NASDAQ: 14,592.21  ▼173.73 (1/3)

1.概況

米国市場は利益確定の売りが出て下落となりました。85ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に308ドル安まで下落した後下げ渋ると午後に入り持ち直し取引終盤に100ドル安まで戻しましたが、引けにかけて再び下げ幅を広げると引け間際に313ドル安まで下落し結局284ドル安の37,430ドルで取引を終え反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も173ポイント安の14,592ポイントと4日続落となりました。

2.経済指標等

12月の米ISM製造業景況感指数は47.4と前月から上昇し市場予想も上回りました。一方で11月の米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数は6万2000件減の879万件となり市場予想を下回りました。また、12月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨ではほぼすべての参加者が2024年末までに利下げすることが適切とみていたものの、見通しは非常に高い不確実性が伴っているとの認識を示していたことが分かりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、不動産が2%を超える下落となったほか、一般消費財・サービスも2%近く下げました。また、資本財・サービスと素材、情報技術も1%以上下落しています。一方でエネルギーと公益事業、コミュニケーション・サービスの3業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]が4%余り下落したほか、ボーイング[BA]も3%以上下げました。キャタピラー[CAT]も3%近く下落し、ナイキ[NKE]とハネウェル・インターナショナル[HON]、スリーエム[MMM]も2%以上下げています。一方でシェブロン[CVX]が2%近く上げ、メルク[MRK]とアムジェン[AMGN]、ウォルト・ディズニー[DIS]も1%以上上昇しています。ダウ平均構成銘柄以外では、テスラ[TSLA]が利益率の低迷が続くとの見方から4%安となっています。また、半導体株が軟調でアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]とブロードコム[AVGO]が2%を超える下落となり、クアルコム[QCOM]も2%近く下げています。エヌビディア[NVDA]とテキサス・インストゥルメンツ[TXN]、ウエスタン・デジタル[WDC]も1%以上下落しています。

5.為替・金利等

長期金利は前日比0.01%低い3.92%となりました。ドル円は円安に振れ143円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

12月29日の米国市場は下落となりダウ平均は20ドル安となりましたが、高安まちまちとなった1月2日の米国市場でダウ平均は25ドル高となり史上最高値を更新しました。しかし、昨日の米国市場でダウ平均が284ドル安となり、3日間トータルでは279ドルの下落となっています。また、ナスダック総合株価指数は3日間で3.3%下落し大きな下げとなっています。そのため大発会となる本日の日本市場は大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の33,000円を前に底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)