モトリーフール米国本社、2023年12月17日 投稿記事より

主なポイント

・創造的破壊をもたらすテクノロジーに焦点を当てるキャシー・ウッド氏の戦略は、長期的に勝利につながる可能性がある
・ギンコ・バイオワークス・ホールディングスとリカージョン・ファーマシューティカルズは、同氏が保有するバイオテクノロジー関連銘柄の中でも特に魅力的である
・両社はどちらも、初期段階にあるプラットフォーム企業であり、株価上昇の可能性を秘めている

大きな可能性を秘めたバイオテクノロジー銘柄2選

2019年以降、テーマ別上場投資信託(ETF)への関心が高まっています。こうしたETFは、今後急成長が期待される特定のテーマやセクターに焦点を当てています。テーマ別ETFで特に有名なのが、キャシー・ウッド氏が率いるアーク・インベストメント・マネジメント(以下、アーク社)です。ウッド氏は、バイオテクノロジー、フィンテック、テレコミュニケーションといった分野で、創造的破壊をもたらすイノベーションに投資しています。

同氏が運用するテーマ別ETFの多くは、2023年に驚異的なリターンを達成しています。これらのファンドは同時に、アクティブ運用アプローチを取っているために経費率が高く、またポートフォリオ企業の多くが初期段階にあるためにボラティリティが高いというデメリットもあります。しかし、アーク社のファンドは、高い経費を支払いたくない投資家やアクティブ運用ETFへの投資をためらっている投資家に、有益なアイデアを提供してくれます。

キャシー・ウッド氏が保有する銘柄の中で、注目のバイオテクノロジー企業2銘柄を紹介します。ギンコ・バイオワークス・ホールディングス[DNA]とリカージョン・ファーマシューティカルズ[RXRX]はどちらも投機的な投資先となる可能性もありますが、積極的な投資家であれば、新年に向けて検討する価値があるかもしれません。

ギンコ・バイオワークス・ホールディングス[DNA]:カスタマイズされた生物学

ギンコ・バイオワークス・ホールディングスは、合成生物学のパイオニア企業です。同社は、消費者向け製品を製造するのではなく、設計・開発・試験・学習のサイクルを効率化することで、生物学に基づく製品の製造を可能にします。同社のビジネスモデルの優れた点の1つは、利用する顧客や収集されるデータが増えるにつれて、ネットワーク効果の恩恵を受けることです。そのため、ギンコ・バイオワークスは今こそ魅力的な投資先かもしれません。

同社は2023年に、医薬品の研究開発の分野で存在感が高まりました。背景には、リボ核酸(RNA)ベースの新薬開発で製薬会社のファイザー[PFE]と提携したことや、新たな遺伝子編集ツールの開発で未公開企業のアーバー・バイオテクノロジーズと提携したことがあります。

さらに、ギンコ・バイオワークスは、生物工学のための大規模言語モデルの開発をめぐってグーグル・クラウドとも提携しています。事業開発に関するこれらの提携は、同社の斬新な価値提案が業界や分野を超えた大手企業に受け入れられていることを示す確たる証拠に他なりません。

一方で、リスクもあります。ギンコ・バイオワークスは新規株式公開(IPO)からまだ3年も経っておらず、投資先としては依然としてボラティリティが高くリターンが低い時期にあります。株価は上場時と比べて84%も下落しており、すぐには株価上昇も期待できそうにありません。結局のところ、同社にとって最大のターゲット市場の多くはまだ実験段階にあり、年間売上高もわずかです。

しかし、ギンコ・バイオワークスはとても大きな可能性を秘めています。農業、バイオセキュリティ、医薬品など、最大市場規模は現時点で数千億ドル規模に上り、急速に成長しています。そのため、リスクを許容し、待つ忍耐力があるならば、同社が急成長段階にある今のうちにギンコ・バイオワークスをポートフォリオに検討することも選択肢の1つかもしれません。

リカージョン・ファーマシューティカルズ[RXRX]:創薬における新たなアプローチ

米国医療システム薬剤師協会(ASHP)によると、米国の医薬品市場は2023年に売上高6,360億ドルに達する見通しです。しかし、新薬開発は依然として時間やコストがかかり、リスクの高いプロセスです。製薬業界はこうした課題を克服するために、人工知能(AI)、機械学習、仮想現実(VR)、自動実験を活用する方法を模索しています。

リカージョン・ファーマシューティカルズは、この新興のバイオテクノロジー分野におけるパイオニアの1社です。2023年には、自社が持つBiohive-1スーパーコンピューターの演算能力の強化を図り、エヌビディア[NVDA]と提携しました。また、精密医療を手掛けるテンパスとも提携し、データを共有しています。

これらの提携の主な目的は、リカージョン・ファーマシューティカルズが持つ、がん治療などの高価値分野における創薬プロセスをコスト効果的に加速させることを目的とした独自のテックバイオ・プラットフォームのカバー範囲を拡張することにあります。

このコンセプトはかなり魅力的に見え、株価の押し上げ効果が期待されることから、一部のアナリストは2023年に、リカージョン・ファーマシューティカルズに極めて高い目標株価を設定しています。しかし、同社の取り組みは長期的プロジェクトであり、このアプローチの真価が完全に理解されるまでに、少なくともあと5年はかかると思われます。

しかし、リカージョン・ファーマシューティカルズの先駆的取り組みは、初期の株主に大きな見返りをもたらす可能性があり、長期的成長を重視したポートフォリオに追加する価値はあると思われます。

免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アルファベットの幹部であるSuzanne Freyは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。元記事の筆者George Budwellはファイザーの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はアルファベット、エヌビディア、ファイザーの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。