2022年、2024年の介入による円安反転と値動きが違った今回
図表1は、1月23日に日米の通貨当局による「レート・チェック」観測をきっかけに米ドル/円が、159円台からその日のうちに155円台まで急落した局面を4時間足チャートで見たものだ。
これを見ると、日本の当局による「レート・チェック」観測が流れたところでの米ドル/円下落は、157円台までと限定的にとどまっている。さらに、その後米当局の「レート・チェック」観測によって米ドル/円の下落が再燃するなかでも、4時間足は2円程度の下落にとどまるなど、米ドル/円の下落は徐々に広がるようになっていたことが分かる。
このような米ドル/円の値動きは、実際に米ドル売り・円買い介入が行われた後とではかなり違うようだ。例えば図表2は、2022年の円安に終止符を打った10月21日の米ドル売り・円買い介入を受けた米ドル/円の急落を4時間足で見たものだ。これを見ると、最初の急落で4時間足は約4円もの大陰線となっていた。
図表3は、2024年の円安に終止符を打った7月11日の米ドル売り・円買い介入を受けた米ドル/円の急落を同じく4時間足で見たものである。これも2022年のケースと同じように、最初の急落で、4時間足はやはり4円近い大陰線となっていた。
「レート・チェック」のみ=自発的円売りポジション手仕舞いで円高
このように、実際に米ドル売り・円買い介入が行われた後、2022年、2024年のケースとも直後の数時間で米ドル/円が一気に4~5円も一段安となったのは、通貨当局が4~5円程度の米ドル安・円高への誘導を意識し、執拗に米ドル売り・円買い介入を繰り返したためだったと考えられる。
これは当時の通貨当局の介入戦略が、短期的に大幅な円高を起こすことで、大きく米ドル買い・円売りポジションに傾斜した投機筋を損失拡大回避のための米ドル売り・円買いに転換させることを狙ったためではなかったか。
そう考えると、1月23日の米ドル急落が段階的に広がるようになったのは、実際に通貨当局が米ドル売り介入を執拗に繰り返した2024年までの結果との違いが明らかだろう。おそらく実際の米ドル売り・円買い介入は行われず、あくまで予想外に米当局も「レート・チェック」に動いたとの観測から、市場の自発的な米ドル買い・円売りポジションの手仕舞いが徐々に広がった結果だったのではないだろうか。
