初心者が新NISAを活用する際、米国株を選ぶポイントとは

2024年1月から新NISAがスタートします。新NISAは投資額が年間最大360万円(非課税保有限度額1800万円)となったり、非課税保有期間が無期限となったりと、従来のNISAと比較すると非常に魅力的な制度拡充がなされており、資産運用に是非活用したいところです。

そして、成長投資枠では外国株式も投資可能です。このため、長期的に保有できる米国株に投資をしてみたいと考えている人にとっては、米国株投資を開始する非常に良いチャンスなのではないかと思います。

では、どのような銘柄を選べば良いのでしょうか。投資初心者の場合、企業独自の強みがある、世界トップシェアを有するなどの安定感がある、業績が長期的に安定成長を続けており、利益の拡大が増配に結びついている、といった視点で銘柄を選ぶのが良いのではないかと思います。

前述のように新NISAは非課税保有期間が無期限のため、配当を得ながら(しかも増配を続ける銘柄であれば、配当額がどんどん大きくなる楽しみもあります)、長期間成長を見守れるような銘柄が良いでしょう。

長期目線で投資をしたい米国株の有望銘柄5選

そこで、今回は具体的に5銘柄ほど、候補となる米国株を参考に挙げてみたいと思います。

1:ネクステラ・エナジー[NEE]

まずはネクステラ・エナジー[NEE]です。伝統的で安定収益を得られる公益電力事業で全米第3位、そして成長著しい再生可能エネルギー事業で全米1位のポジションを獲得している、安定性と成長性を兼ね備えた企業として注目できます。

公益事業による安定したキャッシュを再生可能エネルギー事業への投資に回すことで成長ポテンシャルを高め続けており、株式市場での評価も高い銘柄です。同社は20年以上連続で増配を続けています。

2:ストライカー[SYK]

2社目はストライカー[SYK]で、整形外科用インプラントで世界大手3社に数えられる医療機器メーカーです。人工関節や骨折治療材料など再建型整形外科用インプラント市場では、世界トップクラスのシェアを獲得しています。

同社が強みを持つ整形外科用インプラントの市場は、高齢化を背景に長期での成長が予想されています。連続増配期間は30年に及びます。

3:シンタス[CTAS]

3社目はシンタス[CTAS]。米オハイオ州シンシナティに本社を置く北米最大のユニフォーム(制服)サービス企業です。ユニフォームの他にも、玄関マットやモップ、トイレ用品、応急処置・安全製品、消火器、安全用品なども取り扱っています。

100万を超える顧客基盤をベースとしたストック型ビジネスモデルが機能しており、堅調な業績推移が続いています。制服や玄関マットなどのレンタルや消耗品を提供するサービスは、利用が繰り返されるストック型のビジネスモデルであることから、事業規模が大きくなるほど収益性が高くなります。

同社は、同業種の中でも突出した利益率を実現しています。また、定期的に利用されるレンタルサービスは、収益が安定しているのも特徴です。同社も30年以上の増配期間を誇ります。

4:バッジャー・メーター[BMI]

4社目はバッジャー・メーター[BMI]。米ウィスコンシン州ミルウォーキーに本社を置く、流量測定および制御製品の大手メーカーです。液体や気体の流れを測定および制御するための製品やソフトウェア、通信ソリューション、また水質監視のソリューションを提供しています。

同社の主要製品水道スマートメーターは、水不足と効率的な利用の必要性の高まりを背景に、世界中で採用が加速しています。日本でも電気やガスに遅れましたが、2019年に改正水道法によって開発と採用が促されることとなりました。業績は長年に渡って堅調です。同社も30年以上の増配を実施している銘柄です。

5:オートマチック・データ・プロセシング[ADP]

5社目はオートマチック・データ・プロセシング[ADP]。クラウドベースのHCMソリューションを提供する大手プロバイダーです。米国の労働者の約20%の給与を処理する世界最大の給与計算アウトソーシング企業としてポジションを確立しています。

雇用統計の試金石的な経済指標であるADP雇用統計を出している企業でもあります。規模の経済が効いた利益率の高いストック型収益モデルを持つ企業で収益性が高いのも魅力。同社は40年以上の増配を実施している企業です。
これらの増配企業は投資家の注目を集めるためにも今後も長期に渡って増配を続けていく可能性が高く、それを裏付ける定性面の強みを持っている企業群であるとも言えます。2024年から新NISAで米国株投資を始めるにあたって参考にしてみてはいかがでしょうか。