【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 36,247.87 △130.49 (12/8)
NASDAQ: 14,403.97 △63.98 (12/8)
1.概況
先週末の米国市場は堅調な米雇用統計の結果を受けて米経済がソフトランディングするとの見方から続伸となり、主要3指数が揃って年初来高値を更新しました。32ドル安でスタートしたダウ平均は直後に55ドル安まで下落した後切り返すとプラスに転じ144ドル高まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むと昼過ぎには再びマイナスとなりました。しかし、33ドル安で下げ渋ると持ち直し取引終盤には178ドル高まで上昇しました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めましたが結局130ドル高の36,247ドルで取引を終え12月1日に付けた年初来高値(36,245ドル)を更新しています。また、S&P500株価指数も18ポイント高の4,604ポイントとなりこちらも1日に付けた年初来高値(4,594ポイント)を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も63ポイント高の14,403ポイントとなり7月19日に付けた年初来高値(14,358ポイント)を更新しました。
2.経済指標等
11月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比19万9000人増となり市場予想を上回りました。また、失業率は3.7%と前月の3.9%から改善しました。さらに12月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は69.4と前月から上昇し市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、エネルギーが1%以上上昇したほか、情報技術も1%近く上げました。一方で生活必需品や不動産などの4業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではボーイング[BA]が3%以上上げたほか、ゴールドマン・サックス[GS]も2%近く上昇しました。シェブロン[CVX]とインテル[INTC]、JPモルガン・チェース[JPM]、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]、IBM[IBM]も1%以上上げています。一方でハネウェル・インターナショナル[HON]とウォルマート[WMT]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]が1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、半導体のブロードコム[AVGO]が決算で1株利益が市場予想を上回ったことなどで2%を超える上昇となりました。また、ハネウェル・インターナショナルが49億5000万ドルで買収すると発表したことで空調大手のキヤリア・グローバル[CARR]が4%以上上げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は米雇用統計の結果を受けて早期の利下げ観測が後退し0.07%高い4.22%となりました。ドル円は円安に振れ145円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高と円高一服を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の32,500円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)