この土日、BTCは続伸し、600万円到達間近となりました。本コラムを執筆時点の高値は599万円台です。

2023年12月4日は月曜東京時間からBTCに限らず、ゴールドも買われ、円高スタートとなっています。先週金曜日クローズのリスクオフの値動きを引き継いだ前場となりました。

ビットコイン現物ETFリリース開始の思惑だけでは説明がつきにくそうです。世界のマネーは一部リスクオフ方向に動き出し、債券も買われ始めています。一方で、株式市場だけは堅調となっており、米株も史上最高値までもが射程圏内となってきました。

ただ、金融市場全体を見渡すと、株式市場だけが完全なるリスクオン状態です。利下げを意識した楽観相場ではないと思いますが、個人的には景気減速を意識したマーケットの動きに対して、株式市場だけが逆行しているようにも感じます。また、暗号資産もアルトコインなど、一部その値動きが出ていますので注意が必要な状況ではないかと考えます。

そして米ドル/円の下落も目立ってきましたので、BTC/USDは堅調である場合でも、米ドル/円が大きく下落するならば、しばらくBTC/JPYの上値は重くなる可能性があります。

BTC(ビットコイン)、間も無くピークか

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析です。585-600万円で激しく乱高下をはじめています。

MACDが下落していましたが、ゴールデンクロスを開始しつつあります。SMA30にサポートされながら、順調な上昇です。BTC/USDは40,000ドルのレジスタンスラインを意識することなく、すんなりと高値を突破しました。この状況は、戻り売り勢や利食い勢が居なかったことになります。つまり、これ以上の高値はオーダーが極端に少ない可能性があり、急騰するポテンシャルがありつつも、何かのタイミングで、強い売りが入れば、大きく急落する可能性があります。

そのため、利益確定を開始したいと思います。目先、キリが良いので595-600万円ゾーンは半分以上の利食いを実施し、今までの含み益をしっかりと確定させて確定申告に備えたほうが良いと思います。また、仮に4万ドルをキープできるとしても、1ドル140円に下落する場合は1BTCあたり、560万円となります。

ビットコイン現物ETFによる「セル・ザ・ファクト」(sell the fact =事実で売れ)も起これば、あっという間に下落する可能性もあります。

このあたりに注意しながら、利食い優先で考えます。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY4時間チャートに時間軸を落とします。4時間足ベースでは、575万円がサポートラインとなります。高値をつけて、一度すんなり下落する場合は、最後の押し目買いトレードも狙えるかもしれませんので、念の為、600万円→575万円→600万円という値動きも想定をしておきます。時間足レベルでは、まだもう一度、押し目買いを狙うチャンスもあり得るため、今週前半はこの最後の押し目買いトレードを狙いつつも短期トレードに徹し、週後半から戻り売りに切り替えるという戦略も良いかもしれません。

米ドル/円の下落具合により、BTC/JPYだけの上値も徐々に重くなってくるという戦略で、条件付きですが、今週はこのような戦略でいきたいと思います。

ETHの戻り売りでヘッジをする戦略も意識

【図表3】 ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いてETH/JPY日足チャート分析です。32万5000円と年初高値をわずかに更新となりました。

もう一つの手段として、アルトコイン戻り売りでバランスを整える戦略も良いかもしれません。BTCの買い需要を意識しつつ、ETHの戻り売りでヘッジしながらピークを探しにいくフェーズとして考えるというわけです。

ETHはそもそも上昇に勢いがありません。先月の高値と同等レベルだと考えるならば、安心して戻り売りできるかもしれません。

目先SMA30に戻ることを想定して、ショート戦略も良いのではないでしょうか。BTCの利食いフェーズに入りつつも、半分ポジションを残す前提で前述しましたが、さらにETHをヘッジ手段として短期的に売りトレードで回すことも念頭に今週は戦略を切り替えたいと思います。

もちろん、中長期的にはBTCはまだまだ上昇するイメージは変わりありません。

今週は少々難しい戦略ですが、上値が重い展開を意識し、徐々に利食いを実行しつつ、ETHで売りトレードを実施し、収益を確保していくのが良いのではないでしょうか。