今週も日本株には良好な投資環境が持続

先週の日経平均は小幅ながら4週連続の上昇となった。取引時間中には一時、バブル崩壊後の高値を更新する場面もあった。米国におけるインフレ鈍化⇒FRBの利上げ打ち止め観測⇒長期金利低下という一連の流れがこのところの株高の大きな背景である。

今週もこの流れが継続し、したがって日本株の良好な投資環境も維持されるだろう。11月30日発表の米10月PCEコア価格指数は前年比3.5%上昇と、9月の3.7%から伸び率が低下する見通しだ。インフレの落ち着きを好感して金利が一段と低下すれば、ハイテク株中心に日米とも株価は一段高となろう。

日経平均は年末ラリーに乗じて買いが優勢

日経平均はバブル後高値を抜いて3万4000円の大台を試しにいく場面もあり得るが、そのまま高値水準を維持できるかは、わからない。上値では当然、売り物もかさんでくるだろう。しかし、一方で現在投資家のもとに入金されている配当の再投資が下値を支えるだろう。年末ラリーの機運にも乗じて、買い優勢となると考える。

月末のMSCIの銘柄入れ替え等、需給要因には注意

今週は主だった経済指標の発表はないが、需給要因には注意しておきたい。月末月初をまたぐ週であり、機関投資家のポジション調整で多少の波乱はあるかもしれない。月末にはMSCIの銘柄入れ替えがある。日本株では、サイバーエージェント(4751)、GMOペイメントゲートウェイ(3769)、博報堂DYホールディングス(2433)、京王電鉄(9008)、小林製薬(4967)、栗田工業(6370)、LIXIL(5938)、日本ガイシ(5333)、パーソルホールディングス(2181)、ウエルシアホールディングス(3141)の10銘柄が指数から外れる。一方、新規の採用はゼロだから、ネットで売りだけとなり日本株の下押し要因となる。

予想レンジは3万3500円~3万4000円とする。