今週は、エヌビディアの決算とFOMC議事録に注目

今週の株式市場の注目ポイントは、11月21日に公表される米半導体メーカーであるエヌビディア[NVDA]の決算と米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(10月31日~11月1日開催分)です。

エヌビディアの株価動向は日本の半導体関連株の騰落のバロメータ的存在になっており、あと一歩に迫った8月の史上最高値更新に繋がれば、強い追い風になりそうです。一方で、高値を前に急落を強いられれば、足元で堅調に推移する国内ハイテク株全般に利益確定売りが波及する公算が大きいでしょう。

先週発表された複数の米インフレ指標が市場予想を下回ったことにより、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ打ち止め感が台頭し、米ドルの上値が抑えられています。

FOMC議事録の内容で一段と米長期金利の低下を招く場合、グロース株の押し上げに繋がることが予想されます。その一方、金利低下による極端な米ドル安・円高の進行はプライム市場全体の上値を抑える要因となります。

プライムとグロース市場の動向から見える兆候とは

下記の図表は、プライム市場指数とグロース市場指数の日足チャートです。6月後半以降、グロース市場指数の大幅調整によって両者の値動きに大きな乖離が生じています。ただ、グロース市場指数は2022年5月~6月の安値水準を割り込まずに反発に転じ始めており、底打ち感が強い印象です。

【図表】プライムとグロースの格差解消へ
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチ作成
一方で、11月17日に両指数の直近安値となった10月26日安値からの反発局面では、グロース市場指数がプライム市場指数をアウトパフォームしています。これは、小型株物色が強まる兆候とも判断できそうです。

金利低下による銀行株物色の一巡、円安一服による自動車株への手控え、半導体関連も高値警戒感が強くなれば、流動性の高いプライム市場での決め打ち物色は手詰まり感が強くなります。もし、このような状態で小型株に盛り上がりが見え始めた場合、高いボラティリティを好む短期投資家がグロース市場に群がることが予想されます。

グロース市場で時価総額トップ3である、ビジョナル(4194)、フリー(4478)、カバー(5253)の日足チャートを見ると、7月以降の戻り高値を超えてきた点が心強いポイントと言えそうです。

11月19日執筆時点