ビットコイン現物ETFやイーサリアム現物ETFのニュースでBTC界隈は、盛り上がっています。しかし、そろそろ「セル・ザ・ファクト」(sell the fact =事実で売れ)という投資格言があることにも注意しなければなりません。

次のSECの判断時期は2024年1月初め頃ということのようですが、米国証券取引委員会(SEC)がビットコイン現物ETFの承認をしたとしても、買いが起こるかと言えば、そうとも言い切れず、なんらかの調整売りがあってもおかしくはないと思います。ここ数ヶ月、BTCは期待の買いで上昇しました。525万円まで一時押し目を形成した後からの上昇も大きく、そこからの上値の重さも一癖ある相場です。今一度、調整が入ってもおかしくはないでしょう。

しばらく強気視点で当コラムを更新してきましたが、少しずつ利食いのフェーズに入っているように感じます。慎重な投資姿勢に切り替えた方が良いかもしれません。

BTC(ビットコイン)、MACDダイバージェンス解消にはもう少し時間がかかるか

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

まずはBTC/JPY日足分析チャートです。MACDはダイバージェンスを始めてからしばらく時間が経過しています。0.00付近までの下落にはまだ距離があり、解消するのに、もう1~2週間は時間がかかるでしょう。

SMA30(黄色)が徐々に上昇していることは好材料の一つですが、先週の安値である525万円付近のサポートラインも一応意識しておく必要があると考えています。ここを割り込むと、何らかの理由で下落、またはポジションの傾き的に買いに偏り過ぎていた兆しがあるからです。

この約1ヶ月間の上昇状況などを考慮し、下値は500万円程度を見ておいた方がよいのではないかと個人的には考えています。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY4時間足チャートに時間軸を落とします。SMA200(橙)が徐々に上昇してきており、ちょうど525万円付近のサポートラインと、今週ぴったりと重なりそうです。仮に週前半から半ばにかけて押し目を作るようなら、このタイミングから買いを狙うべきでしょう。

SMA30と90(水色)は548-550万円付近に現在推移しており、ここを割り込んでクローズすると、テクニカル的に一定の売りが誘発されそうです。その場合、540万円、530万円の方向へ下落の足は早まりそうなため、現状価格でポジションを一部縮小し、525万円付近からの深い押し目買いに目線を切り替えていきます。

ETH(イーサリアム)、日足はSMA30とサポートラインを意識

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いてETH/JPY日足です。28万5,000円のサポートラインでぴったり反発しました。
ただし、強い反発ではなく、再び売りに押し込まれそうなイメージです。SMA30も現在のサポートラインと重なりつつあるので、サポート要因は徐々に固まっている印象ですが、BTCの連れ安に巻き込まれると、サポートラインを割り込むことも想定しておかなければならないでしょう。

【図表4】ETH/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY4時間足に時間軸を落とします。サポートラインを意識し、4時間足でテクニカル的な条件を探していくと、SMA200が徐々に上昇してきているため、週半ばからこのサポートラインと重なる可能性が出てきました。

BTC4時間足と似たような形状です。やはりETHはこの28万5,000円に重きをおいてトレードをしていくとよさそうです。もし仮にここを割り込んだ場合の下値は26万2,000円前後を意識しておくとよいでしょう(日足チャートの緑色サポートライン付近)。

今週はこの2段構えでETHトレードの起点を注視し、買い方向でのトレードは継続としたいと思います。