米ドル/円 週間予想レンジ:147.00~150.50
メインストラテジー:レンジ取引
・米金利急落で頭打ちの公算
・逆張り筋の下支えは当面存在
・レンジも当面維持か
アナリシス:
米ドル/円相場は先週波乱した。年初来高値を再度更新したものの、大きく反落し、週足では「スパイクハイ」の陰線で大引け、頭打ちの可能性を再度示唆した。10月31日の日銀会合後、投機筋の押上げで151.76円まで高値を一旦更新し、当日に大陽線を形成したが、その後米金利の急落につられて149.37円まで反落、上昇幅の大半を帳消しした。
プライスアクションの視点としては、年初来高値の更新を重視しているものの、更新後の値動きをより重視している。この意味合いでは、10月31日の大陽線から形成している目先の「インサイド」のサインがより重要である。
もっとも、10月31日の日銀政策修正自体、円売りの材料ではなかった。しかし、当日の米ドルの急騰は、一旦サインの意味合いを否定していた。10月26日に年初来高値を更新しており、10月27日の大陰線が10月25日の安値を下回ったことから、10月25~27日の罫線の組み合わせは、弱気パターンとしてみることができた。この場合は、先々週の高値更新、即ち10月26日の高値トライ自体が「フォールス・ブレイクアウト」の可能性があった。その可能性を一旦強く否定したところ、延長線としてまた弱気サインが形成される可能性が浮上した。
これは、言ってみれば先週の値動きを先々週と合わせて考えてみることが重要だ。2週間の値動きがともに「強気の終焉」を示唆しており、特に10月3日の大陰線の存在が大きかった。先々週から先週までの高値更新が、結果として上昇の勢いが一時だったことを露呈し、むしろ高値更新自体が「ダマシ」である可能性を示唆している。
10月3日の大陰線は、前の罫線に対して「アウトサイド」、後ろの罫線に対して「インサイド」を形成し、「母線」としての役割を果たした。同サインが「Ioi」と表示され、ブレイクがあれば、次なるトレンドへ寄与する存在だと言われる。
その反面、重要な節目において、ブレイクした後に早期逆転される場合は、そのブレイク自体が「ダマシ」となり、かえって頭打ちを示唆する存在と化す。連続2週間の年初来高値更新があったにも関わらず、上値の重いパターンが続いているため軽視できない。
米金利の急落もあって、本来米ドル売りの加速が想定され、米ドル/円の下放れを覚悟するところだが、個人投資家の多くが日銀介入期待のあまり、多数の米ドルショートポジションを持っていると推測される。この場合、かえって下値限定となり、弱含みのレンジ形成が先行されるだろう。
豪ドル/円 週間予想レンジ:97.00~99.00
メインストラテジー:押し目買い
・上放れで勢いを増す
・年初来高値突破へ
・豪ドル対米ドルは底打ち
アナリシス:
豪ドル/円相場は先週大きく続伸、9月高値のブレイクを果たし、上放れを決定した。ここからは勢いを増し、年初来高値の突破を確実視、出遅れたロング筋の一段参入が想定される。
先々週までの保ち合いで、やや波乱しながらも、堅調な推移を維持した。レンジ形成の延長となり、波乱があっても「コップの中の嵐」であったため、上放れの地合いを整備していたとの判断が正しかった。先々週までの直近3週間で、10月第1週(10月2日~)の大陰線に「孕まれる」形となったため、あくまで中段保ち合いの一環との位置付けだったが、先週の大陽線はブレイクのサインとして一層重要であった。
10月第1週は大反乱した。米ドル/円の波乱につられた形で一旦93円関門割れがあったものの、大引けは95.31円と高く、週足では典型的な「スパイクロー」のサインを形成した。ただし、大波乱があったからこそ構造上の強さを維持しており、これから高値再更新を果たす見通し自体は不変である。そのため、先週の高値更新は重要な意味合いを持つ。
詰まるところ、7月最終週の週足ではより値幅の大きい大陰線を形成したことから「インサイド」のサインが形成され、9月末の高値トライは、同「インサイド」の上放れを示唆する値動きとして有力視されたわけだ。そのため、10月第1週の大波乱があっても、上放れが失敗したのではなく、あくまで途中の試練と受け止めていた。言ってみれば、先週の突破で同見方がやっと証明されたわけだ。
従って、理論上では97円大台の再打診があれば、99~100円といった新たなレンジの上限をトライできる。米ドル/円の頭の重さに鑑み、今週のターゲットを敢えて99円台に抑えるが、豪ドル対米ドルの底打ちが鮮明化したことも見逃せないため、上昇志向の強さは不変だろう。場合によっては、高値追う可能性もある。