【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,052.87 △123.91 (10/31)
NASDAQ: 12,851.24 △61.76 (10/31)
1.概況
米国市場は翌日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控え、景気敏感株などに持ち高調整の買いが入り続伸となりました。100ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に141ドル安まで下落する場面もありましたが、下げ渋ると持ち直し昼過ぎまで前日の終値を挟んで一進一退の展開となりました。しかし、その後買いが優勢になるとやや上げ幅を広げ結局123ドル高の33,052ドルで取引を終え続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も61ポイント高の12,851ポイントと3日続伸となりました。
2.経済指標等
7-9月期の米雇用コスト指数は前期比1.1%上昇し市場予想を上回りました。8月のS&Pケース・シラー米住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数も前年同月比2.2%上昇し市場予想を上回りました。10月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数も102.6と前月から低下しましたが市場予想を上回っています。一方で10月の米シカゴ購買部協会景気指数は44.0と前月から低下し市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも不動産が2%高となったほか、金融も1%余り上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでもボーイング[BA]とインテル[INTC]が2%を超える上昇となり、ハネウェル・インターナショナル[HON]とアメリカン・エキスプレス[AXP]も2%近く上げました。一方で決算を発表したキャタピラー[CAT]が期末の受注残が前四半期から減少したことで6%を超える下落となったほか、決算で売上高が市場予想に届かなかったアムジェン[AMGN]も3%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では画像検索・共有サイトのピンタレスト[PINS]が決算で売上高などが市場予想を上回ったことで急伸し19%高となりました。ネットワークサービスのアリスタ・ネットワークス[ANET]も決算が市場予想を上回る増収増益だったことなどで14%高となっています。さらにパワー半導体大手のウルフスピード[WOLF]も決算で売上高などが市場予想を上回ったことなどから22%余り上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%高い4.93%となりました。ドル円は、日銀の政策修正が市場の想定より小幅にとどまったことや、日本の財務省が31日に発表した10月の為替介入実績がゼロだったことで、150円台での円買い介入がなかったことが明らかになったことなどから円安が進み151円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高や円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。FOMCの結果公表を控え様子見となりやすいなかで日経平均が節目の31,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。また、本日は取引時間中の13時55分にトヨタ(7203)が決算を発表する予定で注目を集めそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)