【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,417.59  ▼366.71 (10/27)
NASDAQ: 12,643.01  △47.41 (10/27)

1.概況

先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は中東情勢が一段と悪化することへの警戒感や、決算などで悪材料が出た個別銘柄の下げを受けて3日続落となりましたが、ナスダック総合株価指数は市場予想を上回る決算を発表したインテル[INTC]やアマゾン・ドット・コム[AMZN]が大幅高となったことなどから3日ぶりに反発しました。ダウ平均は1ドル安でスタートすると直後にわずかにプラスとなる場面もありました。しかし、3ドル高で伸び悩むと大きく下げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に457ドル安まで下落した後引けにかけてやや持ち直しましたが、結局366ドル安の32,417ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も19ポイント安の4,117ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は47ポイント高の12,643ポイントとなりました。

2.経済指標等

9月の米個人所得は前月比0.3%増に止まり市場予想を下回りました。一方で9月の個人消費支出(PCE)は前月比0.7%増となり市場予想を上回りました。9月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比3.4%上昇となり市場予想と一致しています。また、10月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も63.8と速報値から上方修正され市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、エネルギーが2%を超える下落となったほか、公益事業と金融、ヘルスケア、不動産、生活必需品も1%以上下げています。一方で一般消費財・サービスと情報技術、コミュニケーション・サービスの3業種が上げ、一般消費財・サービスは1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

インテルが決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで9%以上上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。アマゾン・ドット・コムも決算で売上高が市場予想を上回ったことから7%近く上げています。一方でシェブロン[CVX]が決算で1株利益が市場予想を下回ったことで6%以上下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。JPモルガン・チェース[JPM]も最高経営責任者(CEO)が保有する同社株を一部売却する方針を示したことで3%を上回る下げとなり、ダウ平均構成銘柄でシェブロンに次ぐ下落率となっています。また、フォード・モーター[F]も全米自動車労組(UAW)のストライキの影響を理由に通期の業績見通しを撤回したことが嫌気され12%以上下げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.01%低い4.83%となりました。ドル円は149円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でのダウ平均の下げを受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか押し目を拾うような動きが引き続きみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)