東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅続落となりました。332円安の31,983円で寄り付いた日経平均は直後に316円安の31,999円を付けましたが、節目の32,000円を前に上値を押さえられると下げ幅を広げ11時過ぎに644円安の31,671円まで下落し529円安の31,786円で前場を終えました。603円安の31,712円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げ14時50分前に751円安の31,564円まで下落すると結局656円安の31,659円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が3.4%安となり10月4日に付けた年初来安値を更新しています。
2.個別銘柄等
本決算を発表した良品計画(7453)が一時14.8%高となり年初来高値を更新しました。ゼロコロナ政策が終わった中国の売り上げ回復が見込まれることなどにより2024年8月期の営業利益が前期比で44.9%増となる見通しを示したことから買いを集めました。上期決算を発表したローソン(2651)も一時6.8%高となりました。国内コンビニ事業が堅調に推移しているうえ、費用が想定よりも下振れすることなどから640億円とみていた通期の事業利益の見通しを850億円に上方修正したことで買いが優勢となりました。また、中東情勢の緊迫化による原油先物価格の上昇を受けて石油関連銘柄が高く、INPEX(1605)が一時4.7%高、石油資源開発(1662)が一時5.9%高、ENEOSホールディングス(5020)が一時3.5%高、コスモエネルギーホールディングス(5021)も一時3.2%高となりました。
一方で原油先物価格の上昇を受けて空運株が安く、日本航空(9201)が一時3.2%安、ANAホールディングス(9202)も一時2.5%安となりました。パソナグループ(2168)も一時10.1%安となり年初来安値を更新しました。新型コロナウイルス感染対策に伴う医療関連の受託業務の特需がなくなった反動で第1四半期の営業利益が前年同期比で33.1%減となったことから売りが膨らみました。さらに先週末の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅安となったことから半導体関連株が安く、東京エレクトロン(8035)が一時4.2%安、SCREENホールディングス(7735)とアドバンテスト(6857)が一時5.3%安、ディスコ(6146)も一時5.1%安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は656円安となりました。先週末の米国市場でのハイテク株安を受けて売りが優勢となりました。また、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの衝突が激化するなか中東情勢を警戒する売りも出て節目の32,000円を割り込み下げ幅を大きく広げ一時は750円以上下落する場面もありました。そのため警戒ムードが改めて強まりそうで、明日も下げが続いた場合には節目の31,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の21時30分には10月のニューヨーク連銀製造業景況指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)