【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,852.67 △292.69 (8/29)
NASDAQ: 13,943.76 △238.63 (8/29)
1.概況
米国市場は7月の米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が2021年3月以来の低水準となったことで米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測が後退し3日続伸となりました。28ドル安と下落してスタートしたダウ平均ですが寄り付きを安値に下げ渋ると直ぐにプラスに転じ、その後は一日を通して上げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に304ドル高まで上昇したダウ平均は結局292ドル高の34,852ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も238ポイント高の13,943ポイントとなっています。
2.経済指標等
7月の米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数は前月比33万8000件減の882万7000件と2021年3月以来の低水準となり市場予想も下回りました。また、8月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数も106.1と前月から低下し市場予想も下回りました。一方で6月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比1.2%低下しましたが市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもコミュニケーション・サービスと一般消費財・サービス、情報技術が2%を超える上昇となったほか、素材と不動産も1%以上上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでもベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]が投資判断の引き上げを受けて3%を超える上昇となったほか、アップル[AAPL]とナイキ[NKE]、インテル[INTC]、ゴールドマン・サック[GS]も2%以上上げています。一方でシェブロン[CVX]とコカ・コーラ[KO]、マクドナルド[MCD]の3銘柄が小幅に下げています。ダウ平均構成銘柄以外では長期金利の低下を受けて主力ハイテク株が高く、テスラ[TSLA]が7%を超える上昇となり、グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]、ネットフリックス[NFLX]も2%以上上げています。半導体株も堅調でエヌビディア[NVDA]が4%を上回る上昇となり、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]とブロードコム[AVGO]も3%以上上げています。また、通信大手のAT&T[T]が投資判断の引き上げを受けて4%近く上昇したうえ、家電量販店のベスト・バイ[BBY]も決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことから4%近く上げています。
5.為替・金利等
長期金利は朝方発表の経済指標が冴えなかったことで0.08%低い4.12%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ145円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の32,500円や一目均衡表の雲の上限(32,563円)などを試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)