東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は反発となりました。188円安の32,015円でスタートした日経平均は寄り付きを安値に下げ幅を縮め9時40分頃にプラスに転じると上げ幅を三桁に広げ134円高の32,338円で前場を終えました。154円高の32,359円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を広げ大引け間際に300円高の32,504円まで上昇すると結局269円高の32,473円で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
ホンダ(7267)が一時6.7%高となり年初来高値を更新しました。米国市場で新車販売が伸びたことや円安もあり第1四半期の営業利益が前年同期比で77.5%増となったことに加え、1株を3株にする株式分割を発表したこともあり大幅高となりました。上期決算を発表したINPEX(1605)も一時17.9%高となり年初来高値を更新しました。想定為替レートを円安方向に見直したことなどで通期の営業利益の見通しを9840億円から1兆90億円に引き上げたことや、自己株式を除く発行済み株式総数の6.12%にあたる8000万株、1000億円を上限とした自社株買いを発表したこともあり買いを集めました。また、在日本中国大使館が日本外務省に対して日本行きの団体旅行を解禁すると文書で伝達したと伝わったことから昨日に続いてインバウンド関連銘柄が買われました。
百貨店株では三越伊勢丹ホールディングス(3099)が一時5.3%高、高島屋(8233)が一時4.4%高、J.フロント リテイリング(3086)が一時7.4%高となり揃って年初来高値を更新したほか、ドラッグストアのマツキヨココカラ&カンパニー(3088)も一時5.4%高となり年初来高値を更新しています。一方でソニーグループ(6758)が一時6.7%安となりました。ゲーム事業と半導体事業での先行投資が重荷となり第1四半期の営業利益が前年同期比で30.6%減となったことや、世界的にスマホ需要の回復が遅れるなかスマホのカメラに使われる画像センサーの販売減により半導体事業の営業利益の見通しを2000億円から1800億円に下方修正したことで売りがかさみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は269円高となりました。ハイテク株を中心に売りが出て昨日の米国市場が続落となったことから下落して始まりましたが、節目の32,000円を前に下げ渋ると持ち直し、一時144円台を付けた円安もあり上げ幅を広げました。しかし、7月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあって節目の32,500円をわずかに上回ったところでは伸び悩みました。その米CPIは日本時間の21時30分に発表となります。総合指数の伸びが前年同月比で前月から加速するとみられていることもありマーケットの反応が注目されます。また、決算発表も終盤ですが本日も引け後には多くの企業が決算発表を予定しています。リクルートホールディングス(6098)や東京エレクトロン(8035)、三菱地所(8802)、すかいらーくホールディングス(3197)、楽天グループ(4755)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)