東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に5日続伸となりました。130円安の27,952円でスタートした日経平均ですが、寄り付きをほぼ安値に持ち直すと10時50分過ぎにプラスに転じ25円高の28,108円で前場を終えました。40円高の28,122円でスタートした後場の日経平均は14時10分に81円高の28,163円まで上昇し高値を付けると結局74円高の28,156円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

本決算を発表し2024年2月期の営業利益が過去最高益となる見通しを示した銘柄に大きく上げるものがみられました。イオン(8267)は外出機会の拡大を受けて主力の総合スーパー(GMS)など幅広い業態で利益の伸びが見込まれることから2024年2月期の営業利益が前期比で4.9%増の2200億円となり最高益を更新する見通しを示したことで一時3.1%高となりました。

エービーシー・マート(2670)も国内外で経済活動の正常化が進むなか旅行やレジャーで靴の需要が増えると見込まれることなどから2024年2月期の営業利益が前期比で4.0%増の440億円となり最高益を更新する見通しを発表したことから一時6.0%高となりました。

コメダホールディングス(3543)も新型コロナウイルスの感染症法上の分類が季節性インフルエンザと同じ5類に移行することで既存店の客足が上向くと見込まれることなどから2024年2月期の営業利益が前期比で8.4%増の87億円となり最高益を更新する見通しを示したことで一時12.8%高となり年初来高値を更新しています。同じく本決算を発表したハイデイ日高(7611)も一時8.8%高となり年初来高値を更新しました。値上げで原材料高を吸収することなどで2024年2月期の営業利益が前期比で4.9倍の30億円になる見通しを発表したことで買いを集めました。

一方で本決算を発表したベルシステム24ホールディングス(6183)が一時5.7%安となりました。前期に業績を押し上げた新型コロナウイルス関連業務で反動減が出ることなどから2024年2月期の営業利益が前期比で7.5%減となる見通しを示したことで大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は74円高となりました。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で金融システム不安の高まりが経済に悪影響を及ばす可能性が指摘されたことで景気減速リスクが意識され昨日の米国市場が下落となったことや、3月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが前月から鈍化し市場予想も下回ったことで米連邦準備理事会(FRB)による利上げ継続観測が後退しドル円が円高に振れたことから売りが先行しました。

しかし、28,000円を割り込んだところで押し目買いが入り持ち直すとプラスに転じ28,000円を上回って取引を終えました。そのため28,000円を下回ったところでの底堅さが意識されそうですが、28,000円を上回ってくると押し戻される展開が続いているだけに明日以降も28,000円を維持し28,000円で下値を固めることができるかがポイントとなりそうです。

なお、小売り企業の決算発表が続いています。本日も引け後にはローソン(2651)や良品計画(7453)、ファーストリテイリング(9983)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や3月の米卸売物価指数(PPI)が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)