米ドル/円 日足
週間予想レンジ:131.50~135.50
メインストラテジー:戻り売り&レンジ取引
・売られ過ぎた円
・米ドルの調整継続
・131円台打診へ
アナリシス:
米ドル/円相場は先週大幅続落し、132.51円まで下値打診、売られ過ぎた円の反騰を正式に告げた。米長期金利の一段低下や商品市況の一服で確認され、米リセッション懸念の一段増大で米ドルのロング筋がポジション削減に急ぎ、円の急騰をもたらした模様である。米0.75%利上げ自体が事前に織り込まれただけに、7月月の米連邦公開市場委員会(FOMC)通過後の米ドル反落は自然な成り行きとみている。
というのも、先週の時点ですでにFOMCの「無風通過」や通過後米ドル全体の一段反落は想定していた。ユーロのパリティ割れに象徴されたように、米ドル全体が「買われ過ぎ」だったから、それに対する修正が当面続くとみていた。米国株の切り返しの継続もあって、いわゆるリスクオフの米ドル買い/円売りが修正され、またこれからも続くと思われるため、目先としては131円台のトライを有力視している。
日足では、2022年4月末から形成されてきた大型「上昇ウェッジ」というフォーメーションの存在が目立った。先々週の反落は、同フォーメーションに対する下放れを確認し、本格的な調整段階入りを示唆しただけに、先週の続落が当然視されていた。この場合、前述のフォーメーションの性質に鑑み、往々にして起点へ戻る習性があるため、時間がかかっても5月末安値の126.36円へ逆戻りする、というシナリオも先週の値動きを受けて一段と強化された。
日足では、7月14日の大陽線をもって「クライマックス」を迎え、その後7月20日まで「インサイド」を形成、その下放れを果たした7月21日の陰線は点検的な「弱気リバーサル&アウトサイド」のサインを灯した。そのため、その後の大幅続落はトレンドの一旦反転を受けた値動きと理解され、また7月22日~27日まで形成された「インサイド」のサインも結局のところ反落途中の保ち合いと位置付けられ、その後の下放れや下落加速もその延長線にある値動きだとみている。
その半面、先週の値幅拡大があったものの、まだまだ調整波の初歩段階にあり、米ドル高/円安の本流が強かっただけに、一気に130円関門を割りこむような反落も想定しにくい。131円台の打診があれば、何らかの形で再度切り返しを果たし、まず保ち合いのレンジを形成するだろう。ただし、この場合は7月22日安値の135.57円前後に留まる可能性が大きく、仮に安値トライしてから切り返しの先行があっても、あくまで反落波の途中におけるスピード調整であるため、過大評価すべできではないだろう。
もっとも、欧米勢はすでに本格的な夏休みシーズンに入り、相場の変動率も限られると思う。とはいえ、夏枯れだからこそ流動性の低下を狙い、投機筋の仕掛け的な動きがあってもおかしくないため、油断は禁物である。いずれせよ、円の買い戻しはなお続く公算が大きい。
豪ドル/円 日足
週間予想レンジ:91.50~94.50
メインストラテジー:戻り売り&レンジ取引
・再度頭を確認済
・レンジ下値を探る
・円反騰が加速するか
アナリシス:
豪ドル/円相場は先週反落し、一旦95.70円をトライしたものの、93円関門を割りこみ、週足では「スパイクハイ」の大陰線を形成、再度頭打ちを示唆した。先々週の週足では、典型的な「スパイクハイ」のサインを点灯したため、頭の重さが示唆され、続落も有力視され、先週の値動きはその証拠となった。
米ドル全面高の行き過ぎに対する反動が見られたことは先週解説した通りである。この場合、豪ドル/米ドルよりも米ドル/円の主導権が大きく、逆転を始めたため、米ドル/円の続落が多くの市場関係者の想定より早いスピードで展開され、豪ドル/円の一段落をもたらした。言ってみれば、サプライズ的な値動きとでも解釈されがちだ。
しかし、6月前半から7月前半にかけて形成された調整波の先行及びその後の抵抗ラインの上放れがあり、また先々週までの続伸もあって、豪ドル/円は本来高値再打診の好機にあった。しかし、先々週にてその勢いを失い、先々週の反落で再度頭打ちを確認したため、しばらくは反落波の進行を有力視している。
日足では、7月22日の大陰線が目立つ。同日の大幅反落があったからこそ、7月19日からの罫線の組み合わせは弱気サインと解釈され、頭の重い構造を露呈していた。さらに、7月27日までの切り返しは、前述の弱い構造を否定する好機であったが、結局再度頭打ちを果たし、日足では「フォールス・ブレイクアウト」のサインを再燃させ、その後の反落をもたらした。
6月16日の安値に対する割り込みは、7月初頭に確認されたが、その後の切り返しの展開があったからこそ、「フォールス・ブレイクアウト」と認定できたわけである。しかし、先々週に続き、先週でも頭打ちを確認し、7月安値の91円台前半への逆戻りの蓋然性をむしろ強化したわけである。
さらに、92円半ば以下の終値があれば、1月後半から引かれた支持ラインの割り込みで日足における「三尊天井」の可能性を示すだろう。6月7日の高値を「ヘッド」とみなし、4月や7月の高値を「ショルダーズ」と見なした場合、同フォーメーションの形成や下放れで大きな反落余地を拡大することになる。円の買い戻しは、なお道半端の公算が大きい。
とはいえ、米ドル/円と同様、一気した円の急騰も想定しにくい。91円台半ばの打診があれば、豪ドルのショート筋がまず利益確定に動く可能性も十分あり得る。この場合は再度切り返しの先行も想定されるが、94円前半~同半ば前後に留まるだろう。7月19日や27日の頭打ちがあったからこそ、「ダブル・トップ」を形成していたとみなされ、戻りを限定させる存在になるだろう。
もっとも、豪ドルの優位性が消滅されたわけではなく、あくまで一時の低下として理解しておきたい。円売りが大分進行し、また「行き過ぎ」であった分、円の逆転が一旦始まるとしばらく続くわけで、豪ドルの優位性も一旦封印されるわけである。弱含みのレンジ変動を覚悟しておきたい。