テスラ(TSLA)決算:一株利益は2.54ドルで市場予想を上回る
企業概要
テスラは、2007年設立のカリフォルニア州パロアルトに本社を置く垂直統合型再生可能エネルギー企業である。電動モビリティ社会への移行を目指し電気自動車の開発・製造を行っている。エネルギー発電のためのソーラーパネルやソーラールーフ、また、住宅や商業ビルや公共施設向けに電力貯蔵のためのバッテリーを販売する。
高級セダン、中型セダン、クロスオーバーSUVなど、複数の車種を製造している。また、より低価格のセダン、小型SUV、ライトトラック、セミトレーラートラック、スポーツカーなどの販売を開始する計画である。2020年の世界自動車納入台数はおよそ50万台であった。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第4四半期(10月-12月期)実績
★売上高・・・前年同期比の65%増の177.2億ドル(市場予想は166.4億ドル)
★1株当たり損益(調整後)・・・2.54ドル(市場予想は2.36ドル)
10-12月期決算(第4四半期)では、1株利益、売上高とも予想を上回り、過去最高となった。大衆向けモデルの販売が好調だった。同社は昨年、世界で93万6000台以上を納車し、前年比で87%増加した。数年に渡り予測される年平均50%拡大を上回っている。
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今後の株価見通し
900ドルを下値に、底練りが続いている。今回の好決算を受け、更なる上値追いの動きが予想される。
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ボーイング(BA)決算:一株損失は7.69ドルで市場予想を下回る
企業概要
ボーイングは、航空宇宙および防衛の大手企業である。シカゴに本社を置き、民間航空機、防衛・宇宙・セキュリティ、グローバル・サービス、ボーイング・キャピタルの4つの部門で事業を展開している。
民間航空機部門は、通常、売上高の約60%、営業利益の3分の2を占め、130座席を超える航空機の生産ではエアバスと競合している。防衛・宇宙・セキュリティ部門は、売上高の約25%、営業利益の約13%を占め、軍用機や武器の製造でロッキードやノースロップなどと競合している。グローバル・サービス部門は、売上高の約15%、営業利益の21%を占め、商用機および軍用機にアフターマーケット・サービスを提供している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第4四半期(10月-12月期)実績
★売上高・・・前年同期比3.2%減の147.93億ドル (市場予想は166.74億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・7.69ドルの赤字
(市場予想は0.04ドルの赤字)
10-12月期決算(第4四半期)では、注目のフリーキャッシュフロー(FCF)が4.94億ドルと、予想外の黒字となった。営業キャッシュフローも7.16億ドルと予想外の黒字となっている。787ドリームライナーの損失が膨らんだ一方、737MAXの納入台数の増加により、同社は2019年初頭以来の現金創出となった。
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今後の株価見通し
株価チャートは以下の通り、1年近くのベアトレンドに入っている。同社にはいまだ問題が山積している。223ドル超えから投資タイミングを図ることになるが、業況が更に改善するのを待ちたい。
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フリーポート・マクモラン(FCX)決算:一株損益は0.96ドルで市場予想と同じ
企業概要
フリーポート・マクモランは、世界の上場鉱山企業のなかでも最大の銅の生産量を誇る米国の鉱山会社である。権益を有する資源資産には、銅・金の可採埋蔵量が世界で最大規模の鉱山のひとつとされるインドネシアのグラスベルグ鉱山があり、また、北米、南米においても複数の大規模な鉱山を運営している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第4四半期(10月-12月期)実績
★売上高・・・前年同期比37%増の61.64億ドル(市場予想は64.48億ドル)
★1株当たり損益(一部項目を除く)・・・0.96ドル(市場予想は0.96ドル)
10-12月期決算(第4四半期)では、売上高が予想を下回ったものの、調整済みEPSは上回った。
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今後の株価見通し
同社株の株価チャートは、以下の通り46ドルがバリアになっている。46ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。
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アボット・ラボラトリーズ(ABT)決算:一株利益は1.32ドルで市場予想を上回る
企業概要
アボット・ラボラトリーズは、医療機器、成人および小児の栄養製品、診断機器およびテストキット、およびブランドジェネリック医薬品を製造および販売する。製品には、ペースメーカー、植込み型除細動器、神経調節機器、冠動脈ステント、カテーテル、乳児用調整粉乳、成人用栄養剤、免疫学的検査、ポイント・オブ・ケア機材などがある。米国外の売上高が全体の約60%を占める。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第4四半期(10月-12月期)実績
★売上高・・・前年同期比7.2%増の114.68億ドル(市場予想は107.25億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.32ドル(市場予想は1.21ドル)
★調整済み粗利益率・・・57.7%増(市場予想は57.8%増)
第1四半期ガイダンス
★1株当たり利益・・・1.50ドル以上 (市場予想は1.13ドル)
2022年通期ガイダンス
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・4.70ドル以上 (市場予想は4.76ドル)
10-12月期決算(第4四半期)では、売上高、調整済みEPSがともに予想を上回った。続く第1四半期調整済みEPSガイダンスは予想を上回ったが、22年度通期ベース調整済みEPSガイダンスは予想を下回った。
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今後の株価見通し
22年度通期ベース調整済みEPSガイダンスは予想を下回ったことから、株価は下落しているが、その他の内容は好調だ。しばらく値固めして再度上値追いの展開となろう。
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AT&T(T)決算:一株利益は78セントで市場予想を上回る
企業概要
無線通信がAT&Tの最大の事業であり売上高のおよそ40%を占めている。米国第3位の無線通信事業会社で、6,600万人のポストペイド(料金後払い)加入者と1,700万人のプリペイド(料金先払い)加入者に対して携帯電話端末接続サービスを提供している。
傘下のワーナー・メディアは、HBO、ターナー・ケーブルネットワーク、およびワーナー・ブラザーズ・スタジオなどのメディア資産を有し、売上高の約20%弱を占めている。ワーナー・メディアをスピンオフ(分離・独立)してディスカバリー社と合併することで合意しているが、これが実現すれば新たな独立系メディア会社が誕生することになる。
最近になって、150万人の顧客を有する売上高の約17%を占める従来型テレビ事業の持分の30%を売却した。同事業は、将来的にA&Tのバランスシートから切り離されることになる。事業者や世帯を対象とする固定通信サービス事業は売上高の約20%を占め、およそ150万の顧客にブロードバンド回線サービスを提供している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第4四半期(10月-12月期)実績
★売上高・・・前年同期比10%減の410.00億ドル(市場予想は404.74億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・78セント(市場予想は75セント)
2022年通期ガイダンス
★売上高成長率・・・1桁台前半増(市場予想は1552億ドル)
★1株当たり利益・・・3.10-3.15ドル(市場予想は3.13ドル)
10-12月期決算(第4四半期)では、1株利益、売上高とも予想を上回った。携帯の加入者数も予想以上に増加した。無料通話キャンペーンや5G、光ファイバー網拡張に伴うコスト増を、投資家が心配する理由は少なくなっている。AT&Tは今回、ワイヤレス事業の業績見通しを示さなかったが、過去の発表によれば、2021年に450万人が新規契約し、アップルのアイフォーン無料キャンペーンなどが奏功し、10年ぶりのペースで加入者が伸びていた。
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今後の株価見通し
同社株の配当利回りは8%を超えている。また、予想PERは8.23倍と割安なこともあり、相場全体の悪い地合いにもかかわらず、同社株はアウトパフォームしている。
27.50ドル超えから32ドルを目指すトレンドが予想される。
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