知人に欧米の金融機関で百戦錬磨のトレーダーとして活躍した後に、独立して「個人投資家」になった人がいます。彼は「投資家」が本業ということになります。

一般の個人投資家の場合、サラリーマンなどの本業があって資産運用のためにFX投資をしていることと思います。ですから彼の投資方法はそのままマネできるものではないと思いますが、参考になる点がいくつかありますのでご紹介しますね。

● レバレッジは多くて3倍

彼はFXを中心とした投資で生活していて、なんといっても経験豊富で世界中のトレーダー仲間にネットワークをもつプロ中のプロ、相当大きくレバレッジをかけて巨額の金額を動かしているのでは・・・と想像しましたが、見事に裏切られました。せいぜい5倍までにしているそうです。「経験の浅い個人投資家なら多くても3倍くらいにしておいた方が良い」とも言っていました。

身軽に動けること、損切り時の痛手を最小限に止めるためにもレバレッジは高くしない方がいいということですね。

初心者の方がFX投資を始めるにあたっては必ず小さめのレバレッジで、とアドバイスしますが、上級者だからこそのリスク管理としても「レバレッジは低めで」ということです。

【ご参考:レバレッジとの上手な付き合い方】

http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G1600/fx_plus/leverage_what.htm

● 損切り

必ずしも事前に損切りラインの注文は入れていないとのこと。つまりケース バイ ケース。もちろん、1日中マーケットを見ていられる生活スタイルだからこそですが。

彼の師匠でもある「伝説のトレーダー」から、「自分の意思で損切りして初めて一人前」という教えもあったとのこと。ただし、別の有名トレーダーからは損切りオーダーを入れることでしっかりリスクヘッジすることの大切さも教わったということです。

「「失敗した」と思って切るのは悔しいけれど、そのまま頑張ってしまって「損切りさせられた」方がもっともっと悔しい。」
確かにそうですよね。
「プロ」は自分でコントロールしますが、経験の浅い個人投資家にはなかなかできないことですから、やはりオーダーを入れて気持ちのブレに負けないようにした方が安全です。

【ご参考:FX PLUS 活用したい8つの注文方法 】

http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G1600/fx_plus/order_method.htm
● トレード時間

1日中マーケットを見るといっても、ずっと売買をしているわけではないそうです。やはり、とは思いましたが、もっとも相場が動き、参加者の多いロンドン時間を中心に、米国経済指標の発表などが集中するNY時間の朝方にかけて取引しているそうです。東京時間も相場は見ているそうですが、ほとんど取引はしていないとのこと。

ただし、ロンドン時間、NY時間のリアルタイムの情報は英語のものが中心ですし、欧米の投資家も同様の情報を目にして取引していることを考えると相場に関する情報は英語のものに慣れておくとよいかもしれませんね。

話を聞いていて、さすがプロだな・・・と思うことが多々ありました。けっして無理をしないスタンスにコントロールしているようです。どんなレベルの投資家にとっても、リスク・コントロールはもっとも大切なことなのですね。

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー