米ドル/円 日足
週間予想レンジ:110.50~112.20
メインストラテジー:押し目買い&高値追い
・レンジ打破で上放れ
・ブル基調回復鮮明に
・米ドル全面高をリード
アナリシス:
米ドル/円相場は先週大きく切り返し、週足では強気サインを点灯した。一旦109.13円まで安値打診したものの、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の通過もあって一転して大きく上昇し、やっと中段保ち合いを離脱したことは、ブル基調の回復で上値トライしやすい時期に入ったことを示唆している。
実際、7月高値の116.67円からの反落は、8月4日に一旦108.72円をトライし、調整波の先行でさらなる下値トライがあってもおかしくなかった。しかし、その後保ち合いを継続し、また1円ほどのレンジを形成してきたので、次のブレイクをもって調整波拡大の有無を確認したところ、先週の上放れが大きなサインと化し、調整波の終焉を示唆している。
もっとも、米ドル全体(ドル指数)のブル基調が維持されているものの、上昇モメンタムの低下が先週から目立つようになった。この場合、米ドル/円のリードで米ドル高の基調を示す良いタイミングとなり、クロス円経由の円高圧力の消滅も大きなポイントとなったため、米ドル/円にとって上値追いの展開になりやすいだろう。
8月4日の陽線や強気リバーサルのサインの点灯は、下値トライの一服を示唆したものの、8月11日に点灯されたフォールス・ブレイクアウトのサインの指示通り、またレンジ変動に戻っていた。同レンジの形成や延長は、先週安値まで続いたが、9月22日の大陽線が示した強気リバーサルのサインは、再度底打ちを示した上、その後の大きな続伸をもって8月11日高値の直接打診をもたらし、保ち合いの終焉を強く示唆していた。
そのため、110円半ばは一転して支持ゾーンと化し、大した押し目にならないうちに、再度高値トライをする機運が高まるだろう。年初来の111.67円や2020年のコロナショック後の高値であった111.70円まで実質上抵抗らしい抵抗ゾーンが存在しないため、一気した上値トライを覚悟したい。さらに、2020年高値の112.20円も射程圏として身近になり、高値トライや高値の更新も規定路線と見なせる。
つまる所、繰り返し指摘してきたように、大局観として2011年安値を起点とした大型上昇波が継続され、2015年高値から2020年コロナショック後の安値までのトライアングル型保ち合いの先行があっても、2021年7月までの上昇をもってすでに上放れを果たしたわけだ。ブル基調への復帰を再度果たした以上、ここからはブルトレンドの再開や上値トライが有力視される。そのため、ロングスタンスを維持していきたい。
豪ドル/円 日足
週間予想レンジ:79.50~82.00
メインストラテジー:レンジ取引
・再度底打ちを確認
・下落波の一服
・レンジ拡大へ
アナリシス:
豪ドル/円相場は先週切り返し、下落一服を強く示唆した。一旦79円関門を割り込んだものの、80円関門以上の大引けをもって基調の改善を示したため、目先のレンジ変動が先行し、またレンジの上限拡大があっても許容範囲内とみている。
8月安値の77.89円の打診をもって中期スパンにおける下落一服があれば、9月3日高値の82.14円までの切り返しは、少なくともスピード調整の一環として位置付けられ、先週の切り返しもあって、たちまち頭打ちのサインになるとは考えにくい。この場合、仮に同高値の再更新がなくても、しばらく保ち合いの先行が想定されやすく、また豪ドル/円の上昇モメンタムの回復もあって、基調の一旦改善が図れると思う。
日足では9月22日の切り返し、日足において強気リバーサルのサインを点灯しており、その後の続伸で80円関門の回復を果たし、8月27日安値の一旦割り込みが「ダマシ」であった可能性を示唆している。
8月27日の大陽線は、8月安値を起点とした切り返しの途中にて形成され、強気リバーサルのサインだったことに鑑みると、同安値前後において本来支持ゾーンとなりやすかったが、一旦割り込んだ。またその後の急回復があったからこそ、基調の改善が図られたわけだ。
さらに、9月3日以降、一旦インサイドのサインの形成や下放れをもって9月21日までの下落波を形成していたが、途中における9月17日のサインが重要であった。同日一旦高値をトライしてから反落し、当日の弱気リバーサルのサインを点灯しただけではなく、前日2日取引日の高値を一旦更新した形であったため、弱気リバーサルのサインとして解釈され、重要な抵抗となるはずだった。
しかし、先週の切り返しは、同日高値を一旦ブレイクし、切り返しの基調の堅実さを暗示していた。このままでは、9月高値の再更新がなくても、まずは切り返しの継続が進行しやすく、保ち合いの局面において強含みの展開になりやすいのではないかとみている。反面、先週の切り返しの意味合いに鑑み、何らかの材料なしでは、先週安値への最接近は少なくとも短期スパンにおいても容易ではないと思う。
そのため、強含みのレンジを形成し、また展開していく可能性が一番大きく、次のステップまで保ち合いの先行が一番有力視される。より大きな視点では、5月高値からの反落波はなお継続され、また反落の余地を拡大すると推測されるが、目先としては基調の改善でスピード調整の先行が展開されやすく、またレンジの拡大も覚悟しておきたいところだ。
いずれにせよ、豪ドル/円の堅調は米ドル/円次第だ。また短期スパンにおいて豪ドルの「売られ過ぎ」の側面に依存し、保ち合いの先行やレンジの拡大があれば、次のステップを踏む前の段階としてむしろ重要である。そのため、しばらくはレンジ取引に徹したい。