ビザ(V)決算:一株利益は1.49ドルで市場予想を上回る
企業概要
ビザは、世界最大級の電子決済処理ネットワーク運営会社である。2020年度の購入決済取扱額はおよそ9兆ドル、世界200ヶ国を超える市場で160種類の通貨の取引を決済する。決済システムは毎秒65,000件を超える取引を処理することが可能である。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(4月-6月期)実績
★純収入・・・前四半期比28%増の61.3億ドル(市場予想は58.6億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・1.49ドル(市場予想は1.35ドル)
純収入、調整済みEPSが市場予想を上回った。新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、経済が再開されるに伴い旅行や娯楽への支出が増加、決済額が膨らんだ。
今後の株価見通し
ネットワークの基準を管理する能力、潤沢なフリーキャッシュフロー(純現金収支)、負債ゼロのバランスシート、豊富な手元資金を背景に、株価は順調に上昇している。株主対策も手厚く、今後も同社株の見通しは良好である。再度上値追いとなろう。
ボストン・サイエンティフィック(BSX)決算:一株利益は0.40ドルで市場予想を上回る
企業概要
ボストン・サイエンティフィックは、小さな開口部または切れ目を通して人体に挿入される侵入の少ない医療装置を生産する。血管形成、血栓ろ過、心調律管理、カテーテル指向超音波イメージング、構造性心疾患、上部消化管診断、介入腫瘍学、および失禁の処置に使用するための製品を製造する。世界中のヘルスケア専門家や施設にデバイスを販売している。米国外売上高が全売上高の約半分を占めている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比54%増の30.77億ドル(市場予想は29.40億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・0.40ドル(市場予想は0.37ドル)
★純利益(調整後)・・・前年同期比381%増の5.77億ドル(市場予想は5.36億ドル)
第3四半期ガイダンス
★売上高成長率・・・12-14%増
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・0.39-0.41ドル(市場予想は0.40ドル)
2021年通期ガイダンス
★売上高・・・21-22%増(従来予想は16-19%増)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.58-1.62ドル(従来予想は1.53-1.60ドル、市場予想は1.59ドル)
第2四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を大幅に上回った。続く第3四半期調整済みEPSガイダンスレンジは予想に一致。2021年度通期ベース調整済みEPSガイダンスレンジを引き上げ、予想を上回った。
今後の株価見通し
好決算を受け、株価は一気に新値を更新した。
テラダイン(TER)決算:一株利益は1.91ドルで市場予想を上回る
企業概要
テラダインは、無線(ワイヤレス)、自動車、産業、通信、航空宇宙、防衛セクターで使用されている半導体、ワイヤレス製品、データストレージ、および電子システムのための自動テストシステムの設計、開発、製造を手掛ける。半導体テスト、システム・テスト、ワイヤレス・テスト、産業オートメーションの4つの部門を通じて事業を展開している。テストを実施することで、製品の品質の改善・コントロール、性能の測定を可能にし、歩留まりの向上を支援する。製品は、台湾、中国、米国、日本、韓国を中心に販売されているが、世界各国でプレゼンスを有する。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比29%増の10.9億ドル(市場予想は10.6億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・1.91ドル(市場予想は1.75ドル)
第3四半期ガイダンス
★売上高・・・8.8-9.6億ドル(市場予想は9.17億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・1.29-1.55ドル(市場予想は1.38ドル)
第2四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。続く第3四半期売上高、調整済みEPSガイダンスレンジはともに予想の範囲内だった。
今後の株価見通し
以下はテラダインの1年間チャートである。レンジをブレイクするには材料が必要だろう。
ゼネラル・エレクトリック・カンパニー(GE)決算:一株利益は5セントで市場予想を上回る
企業概要
ゼネラル・エレクトリック・カンパニーは、米国の発明家トーマス・エジソンが設立した会社ともう1社が1892年に合併して誕生した。今日では、航空旅行、精密医療、およびエネルギー転換における世界的なリーダーである。差別化された技術と世界中に広がる設備の巨大な工業的インストールベースで知られている。このインストールベースには、航空宇宙用エンジン、ガスタービンおよび蒸気タービン、陸上および洋上風力タービン、ならびに医療診断およびモバイル機器が含まれる。利益の大部分は、一般的に利益率が高いサービス収入によるものである。元ダナハーのローレンス・カルプCEOがリーンの原則に基づいて、コングロマリットの数年にわたる業績回復をリードしている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比3%増の182.79億ドル(市場予想は180.86億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・5セント(市場予想は3.5セント)
★純利益・・・前年同期比133%増の4.25億ドル(市場予想は3.22億ドル)
2021年通年ガイダンス
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・15-25セント(従来予想は据え置き、市場予想は26セント)
★フリーキャッシュフロー・・・35-50億ドル(従来予想は25-45億ドル、市場予想は39.6億ドル)
第2四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。4-6月期決算で、調整後の通期フリー・キャッシュフロー見通しを35億-50億ドル(従来見通しは25億-45億ドル)に上方修正した。通期の売上高や利益見通しは据え置いた。
今後の株価見通し
株価の動きは膠着状態である。短期ベアトレンドを上抜きそうだが、14.40ドル超えから投資タイミングを図りたい。
スターバックス(SBUX)決算:一株利益は1.01ドルで市場予想を上回る
企業概要
スターバックスは、世界で最もよく知られたレストランブランドの1つである。2021年3月時点で、世界83ヶ国で32,900店舗を運営している。事業は、米州、海外市場、(小売)チャネル開発の3部門で運営されている。主な収益は、直営店から生み出される。ロイヤリティ、機器・商品のライセンス先への販売、レディトゥドリンク類、入れたてコーヒー、シングルサーブコーヒー製品の販売などが追加的な収益源となっている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比77.7%増の75億ドル(市場予想は72.4億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.01ドル(市場予想は78セント)
2021年通期ガイダンス
★売上高・・・291-293億ドル(市場予想は288.3億ドル)
★既存店売上高・・・20.0-21%増(従来予想は18-23%)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・3.20-3.25ドル(市場予想は3.00ドル)
2021年4-6月期決算は最終損益が11億5,300万ドル(約1,265億円)の黒字となった。前年同期は新型コロナウイルス感染拡大により全世界で店舗閉鎖に追い込まれ、6億7,800万ドルの赤字だった。
今後の株価見通し
中国での既存店売上げ見通しを下方修正したことから、引け後3%程度下がっているが、基本的には堅調な内容だった。再度上値追いとなろう。