米ドル/円 日足

週間予想レンジ:108.50~110.50

メインストラテジー:押し目買い

・米ドル軟調でも対円堅調
・レンジ変動で下値限定
・動意待ちでも円安方向

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

米ドル/円相場は先週の保ち合い、また先々週に比べ値幅限定で、陰線で引けたものの、あくまでレンジ変動の一環として位置づけられ、メインスタンスや見方は変わっていない。もっとも、先々週の切り返し、年初来安値から引かれてきたメイン支持ラインの役割を再確認したことで、強気変動への復帰を示唆していたため、先週の保ち合いでも同ラインを再度維持し、従来の見方が一層強化されたと言える。

円は主要外貨のうち最弱であり、4月から米ドル全体が大きく反落、また先週一旦2月安値を割り込んでいたにも関わらず、米ドル対円の強気変動は維持され、主要クロス円の軒並み高値更新やブル基調の維持もあって、円の地盤沈下が目立つことから、円全体のベアトレンドも安易に修正されないだろう。

そもそも4月に入ってからの大幅反落は、我々の想定範囲内をやや超えたものの、終値でみれば、年初来の上昇幅に対して38.2%反落の範囲に留まり、許容範囲に収まったところが大きかった。スピード調整の一環として許容範囲内なので、切り返し自体もメイントレンドへの復帰とみなし、先々週の反騰落を当然の成り行きと見ていたから、先週の値幅限定はあくまで動意薄の結果と見られ、方向性に関する見通しを変更する必要はないだろう。

5月12日の大陽線、米消費者物価指数(CPI)の急伸につられた値動きとされるが、同日米ドル/円の上昇幅が明らかに米ドル全体(ドル指数)より大きいため、米ドル反発する場合、円売りが一番仕掛けしやすかった側面を物語っている。先週の保ち合いでは、一旦12日安値を迫ったものの、下値限定で従来の役割を維持したため、あくまでレンジ内の調整と位置付ける。108円台前半~109円台後半は目先の変動レンジとみなし、ブレイクがあれば上放れの蓋然性が高いだろう。

最近米サイドの材料、ファンダメンタルズ上の好材料なら米ドル売り、逆に悪材料なら米ドル買いのきっかけになりやすい傾向にあり、これは金融相場の継続や米連邦準備制度(FRB)の政策に関する思惑が市場センチメントを支配していることを示唆している。一方、材料に基づく米ドル買い時の値幅は、明らかに米ドル売り時の値幅より大きく、内部構造の堅調を示している。

もっとも、調整波の一旦完成も下値余地の限定を示唆している。繰りかえし指摘してきたように、年初来の上昇波が加速され、また8円を超えた上昇値幅を達成してきた分、調整自体がむしろ歓迎される値動きがあり、調整があったほうがより健全な上昇波の形成につながるため、ブルトレンドへの復帰は、紆余曲折がありつつも継続される公算が大きい。レンジ上限の110円関門手前の打診があれば、動意を増していく前兆となり、逆に言えば、上限の打診やブレイクなしではなお動意薄だろう。

米ドル全体としては、2月安値の一旦打診で仮に更なる底値割れを回避できても、当面軟調な値動きを保つ見通しだ。そのため、米ドル指数の下落自体が主要外貨の上昇をもたらし、主要クロス円における円売りのトレンドを維持しており、またユーロ/円など主要クロス円の高値更新が円売りの流れを証拠付けており、円全体の弱気変動を構造化させる存在となるわけだ。そういう意味では、クロス円の動向もしばらく変わらないと見ている。

より長いスパンでは、年初来の続伸は、2015年高値から引かれてきた抵抗ラインのブレイクを示し、2015年高値から形成された大型トライアングル型の保ち合いが非常に長い歳月がかかっただけに、ブレイクを果たした後の上昇トレンドが大型化されていく公算が大きい。2021年6月高値109.86円のブレイクを果たした分、早晩コロナショック後の高値だった111.72円が射程圏に入り、また2020年高値の再更新を果たすだろう。メイントレンドが否定されない限り、トレンドの更なる推進を有力視している。

豪ドル/円 日足

週間予想レンジ:84.00~87.50

メインストラテジー:押し目買い

・強気変動維持も勢い欠如
・保ち合い先行もブル志向
・下値余地限定も仕掛け待ち

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

豪ドル/円相場は先週続落、高値圏における保ち合いの先行を示唆した。もっとも、先々週一旦高値を再更新し、その後反落したものの、先週と同様、84円関門を維持したことで続落があっても保ち合いの一環と位置付けられ、メイン構造や基本的な見方は変わっていない。先週指摘したように、先々週の高値再更新自体が、ブル構造を一段と強化し、後ずれでも早晩上値トライを果たす公算が大きい。

先日述べたように、3月末安値からの続伸、4月20日高値のブレイクをもって上昇波の再開を示唆した。これは言ってみれば、4月20日の罫線が示した「強気リバーサル&アウトサイド」のサインが「ダマシ」であったこと、ならびにブル構造も証明されたことで、これから紆余曲折があってもブルトレンドの一段延長につながると見ている。

2月高値85.48円に対する一旦更新は、2月高値から形成された一旦「頭打ち」を示唆するフォーメーションの可能性を否定し、大型「ダマシ」の否定でブルトレンドへ復帰するのみでなく、上昇モメンタムの一段加速を示唆した。この意味合いにおいて、先々週85.82円の高値をトライしてから一旦反落してきたこと自体がややサプライズであり、また先週の続落はやや想定外であったため、高値圏での保ち合いや再調整していくことが想定される。

とはいえ、先々週の高値再更新自体、一時的に留まったものの、軽視すべきではないサインであった。なにしろ、そもそも3月の一旦高値更新、2月高値を超えたものの、一転して反落し、陰線で大引けしたことで高値更新自体の「ダマシ」の可能性も示唆していたからだ。同サインを重視する形で、高値圏での保ち合い自体を軟調サインの1つとみなし、高値を追うというスタンスに距離を置いてきた。3月の続伸や高値更新は、結局一旦失敗した形となり、モメンタムの低下や保ち合いの先行を強く暗示していたため、4月20日の「強気リバーサル&アウトサイド」のサインが有効ではないかと思われた経緯があった。

しかし、その後同日に高値84.76円のブレイク自体が、大きなサインとして鮮明化した。要するに、同日罫線が示した意味合いが「ダマシ」となり、前記見方を否定する上で、かえって上昇トレンドの土台を作り、メイントレンドとしてのブル構造を強化している。言ってみれば、3月高値から時間をかけて高値圏での保ち合いを形成し、4月20日高値の更新をもって同保ち合いの上放れを示し、コロナショック後安値を起点とした上昇波の加速を示唆していた。そのため、先々週の高値更新を当然の成り行きとみなしたわけだ。先週の反落を、高値更新後のスピード調整と見なした場合、なおその範疇にあると考えられる。

テクニカルの視点では、「ダマシ」があったほうがより確率を上げ、また蓋然性が高まるとされ、3月高値からの値動きを結局高値圏での保ち合いと見なしたほうが、整合性があると考える。さらに、3月にて2月高値に対する一旦高値を更新し、一旦失敗したようにみえたのも保ち合いの一環として解釈されやすいため、先々週の高値再更新はさらなるサインとして鮮明化したわけだ。そのため、先週の続落があってもサインの否定には至らない。

2月高値からの保ち合い自体を「トライアングル」のというフォーメーションとみなすため、高値更新をもって上値を追う環境に恵まれた。3月高値からの最大調整幅は約3円なので、その値幅をそのまま上乗せして計算すれば、88円台前半のターゲットを得られるから、しばらく上昇余地を拡大しやすい。これから軟調や続落があっても、84円関門を大きく割らない限り、なおスピード調整の一環として許容範囲内に留まり、また再度高値を追う展開になるだろう。

要するに、3月高値の一旦更新や失敗したようにみえたのも一種の「ダマシ」のサインであり、高値圏での保ち合いの蓋然性が証明された以上、上値トライまた高値再更新をもって抑えられた上昇モメンタムの再開や一段強化を有力視されるだろう。先週の続落があったからこそ、今後再度高値トライがあれば、一段とモメンタムの加速につながりやすいと想定している。