米ドル/円 日足
週間予想レンジ:106.50~108.50
メインストラテジー:レンジ取引
・諸要素の拮抗、小康状態が続く
・主要クロス円の切り返しは支え
・5月安値の更新なしは下値限定
アナリシス:
先週は先々週の値幅の中に留まり、「インサイド」のサインを点灯。7月20日朝の107.50円の打診があって、下値堅い印象を一段と強めた上、6月第4週の陽線の意味合いを強化したとみる。
6月第4週の陽線は「スパイクロー」のサインをもって5月安値と「ダブル・ボトム」の形成につながった上、6月第2週安値106.57円に対する下放れが「ダマシ」だったことを暗示。先週の値動きや目先の堅調で同可能性を一段と強化したといえる。
先々週安値の106.64円は明らかに前記106.57円を意識。再度108円関門の打診をもって地合いを一段と強化しよう。すなわち、106円台半ばは本当のサポートゾーンとして意識され、本格的な下放れなしでは小康状態が継続される公算。
もっとも、ドル全体(ドルインデックス)との連動性が薄まっている。ドルインデックスは3月安値に接近している状況に鑑み、米ドル/円の5月安値の割り込み回避。また106円台半ば維持自体が強気のサインと解釈される。その背景には主要クロス円における外貨高・円安のトレンドの維持があり、円高圧力の低下を示す。
さらに、6月第2週の大幅反落や6月安値のトライ、5月11日安値106.54円を守ったところであり、あくまで調整変動と見なし、急速かつ大幅な反落はロングポジションの「振り落とし」と見なしたため、調整一巡の蓋然性が高まりつつある。6月末高値108.17円のブレイクがあれば、底固い構造を強化、ブル基調へ復帰が示唆されよう。
とはいえ、保ち合い状況の継続で早期ブレイクできるかどうかが定かではない上、モメンタムの欠如もあって当面レンジを形成していくことも想定される。米ドル全体の反落を背景に、米ドル/円のみの上放れも想定しにくく、当面横ばいの傾向を強めるだろう。
日足では7月15日の陽線が7月10日の安値を割り込めず、目先同14日高値107.44円の一時ブレイクもあって、横ばいの状況でも底堅さを示唆。7月1日高値の108.17円の打診や一時のブレイクがあってもおかしくなかろう。6月高値からの反落幅を取り戻すには時間がかかる見通しだが、下値余地が限定される見通し。
より長い視点は変わらない。米ドルの強気基調、5月6日にて106円関門前後の支持を守ったことが始まりであった。激動の3月に対する反動という位置付けでは、5月安値をもって完了。また同安値からすでに新たな上昇の段階に入ったとみる。5月安値を割らない限り、広いレンジの形成があっても途中のスピード調整と見なし、構造的な強さを損なうことはないとみる。
リスク要素として、やはり何らかの材料をもって106円半ばや106円関門を割り込むことがあれば、5月安値の再更新につながる可能性がある。但し、この場合でも大型ジグザグ調整パターンの最終子波と見なし、103円台の打診をもって3月高値からの調整を完成させよう。今週も含め、時間の推移につれ、下放れのリスクが逓減していくことも想定される。
豪ドル/円 日足
週間予想レンジ:74.50~76.50
メインストラテジー:押し目買い
・トレンドの維持は鮮明、地合いの堅調を示唆
・米ドル安の受け皿として豪ドルに恩恵
・高値圏での保ち合いはブレイク前の兆し
アナリシス:
先週小幅切り返し、6月末からの続伸を果たした。既述のように、先々週の⼩幅反落を大袈裟に見るべきではなく、⼀旦6月第3週⾼値の75.11円を更新していたことに鑑み、基調に関する判断は不変。強気基調がむしろ強化された⾒方もできるため、先週の値動きをその一環とみる。
もっとも、モメンタムはまだ欠如しており、何等かのきっかけ待ちの状況。しかし、これから続伸して再度同⾼値のブレイクがあれば、モメンタムの加速が想定されることは変わらない。すなわち、75.11円のブレイクが確認された以上、強気のサインと解釈されたこと自体なお一層有力視される。
6月第3週の罫線⾃体が典型的な「スパイクハイ」のサインを点灯し、同⾼値の打診や⼀時の更新があったからこそ、元の強気基調への復帰が暗⽰されたとみることは正解であった。6月後半からの値動き、⾼値圏における保ち合いの⼀環という位置付けであったが、調整波完成の証拠として強気のサインとして解釈されてきた分、モメンタムの加速は先週の切り返しをもってこれからの蓋然性を強める。
スピード調整の⼀環として短期スパンにおける調整波継続の有無がもっとも重要な課題だったことも、先週の切り返しで⾒方を更に強化したとみる。すなわち、調整波が完成され、6月後半からすでに上昇波に復帰しており、これから上値トライしやすく、まず76〜77円台の上値トライを果たすという見方を維持できる。
肝心なのは、コロナショックで3月19日まで⼤きく続落、⼀時60円の心理⼤台を割り込んだこと⾃体が豪ドル安のクライマックスだったこと、また年初来⾼値を⼀旦更新したことに鑑み、切り返し⾃体はもはや調整波ではなく、推進波として数えることである。故に、途中のスピード調整があっても、ブル基調を維持できることから、先週の切り返しで途中のスピード調整の終焉も示唆される。
コロナショックと相まって、恐怖のドル買いやドル・クランチの進⾏で豪ドルは資源国通貨として売られやすかった側面があったが76円台後半までの急伸で同売られすぎに対する修正は完全に果たし、2019年年末の⾼値更新やブレイクは証左のサインと⾒なせることは繰り返し指摘してきた通り、これから証左されるであろう。
要するに、3月安値を起点とした上昇波はメイン変動と⾒なせるし、すでに新たな段階に入ったため、先週の続伸をもって6月後半から新たな上昇子波の進⾏として位置付けられる。これから6月⾼値の再打診につながるというメインシナリオの蓋然性も強化されたとみる。
豪ドル対米ドルのV字型反騰と同様、株式市場のパフォーマンスや市場心理に依存する側面も⼤きく、場合によっては変動幅の⼀段拡⼤も覚悟していたが、豪ドル売りが観察されず、むしろ豪ドルの堅調が鮮明化しつつある。
先週の切り返しで同見方が一段と強化され、豪ドル対米ドル、対円ともに高値更新しやすい環境にあることは不変。すなわち、3月安値を起点としたV字型反騰がなお進行中であり、トップアウトがあっても後ずれになるであろう。今週も強気スタンスで臨みたい。