米ドル/円 日足
週間予想レンジ:106.50~108.00
メインストラテジー:押し目買い
・米ドル全体に比例しない値動き
・主導性なき円、下値硬直性も
・強気構造健在でも当面は「コップの中」
アナリシス:
先週反落、中段保ち合いの継続やモメンタムの低下を示唆。もっとも、先々週までの切り返し、108円前半に留まったことに鑑み、モメンタムの低下で保ち合いの一環としてみられやすく、先週の反落があっても許容範囲内の値動きと位置付ける。
半面、6月安値106.07円割れを回避できれば、米ドル/円の下方硬直性は変わらないだろう。米ドル全体(ドルインデックス)にリンクした傾向を見せてきたものの、比例しない値動きも確認されてきたため、構造的な強含みを示唆。
6月第3週の陽線、一旦106円関門直前までトライ、その後一転して切り返し、「スパイクロー」の形を示し、また5月安値に迫ったため、「フォールス・ブレイクアウト」の可能性を示し、先々週の続伸をもたらした。先週の反落があっても、同構造を否定しない限り、地合いの悪化、即ち円の大幅高を回避できる見通し。
5月安値に迫ったこと自体が一種の「振り落とし」と見なされ、その役割が一旦果たされたはず。6月23日の大陰線、前の罫線に対して「アウトサイド」、後ろの罫線に対して「インサイド」のサインを点灯してから上放れ、底打ちのサインとして確認できたところは大きく、目先なお有効であるため、底値割れを回避できる公算。
すなわち、6月安値を起点として切り返しが継続され、先週から目先の軟調を途中のスピード調整と見なし、保ち合いの一環として位置付けしやすいだろう。7月1日の大陽線、「弱気リバーサル」、または「アウトサイド」を形成し、7月7日の陽線を途中の「ダマシ」と見なした場合、先週の安値106.64円をもって7月1日が示した弱気サインの効き目を果たした可能性もある。
7月1日罫線値幅の「倍返し」で得られる下値余地は限定的、また106円前半における支持ゾーンは重要かつ堅実、少なくとも一気した下放れを回避できるだろう。保ち合いの継続期間、長ければ長いほど強気構造を証左してくるため、目先弱含みの展開があっても「コップの中の嵐」と見なせる。
中期スパンでは、一旦4月高値を更新していただけに、再度5月安値をトライしたものの、割らずに切り返しを果たしているため、その意味合いを軽視できないという見方は既述の通り目先維持される。底固めの蓋然性を重視すれば、3月安値を起点とした上昇波動が継続され、調整子波自体の構造も維持され、中段保ち合いを経て早晩再度110円大台をトライし、新しい段階入りを示唆。3月高値から5月安値まで形成された大きな「下落ウェッジ」の一段確認で得られた戻りの余地である。テクニカルの視点では、3月高値111.72円の回復もこれから視野に入る。
短期スパンに限って、7月1日の大陰線がもたらした売り圧力が大きいため、同日高値108.17円の回復まで時間がかかるだろう。回復しきれない限り、底固くても安値圏での保ち合いが強いられ、また一時にせよ、何らかの材料次第で一旦106円関門の再打診もあり得る。より鮮明なサインの点灯を待ちたい。
豪ドル/円 日足
週間予想レンジ:74.00~76.30
メインストラテジー:押し目買い
・高値圏での保ち合いが続き、強気変動を維持
・調整完了でブルトレンドを維持、上値志向は不変
・豪ドル/米ドルの堅調に依存、豪ドル次第の公算
アナリシス:
先週一旦続伸してから小幅反落、米ドル/円の軟調につられた側面が大きい。但し、一旦6月第3週高値の75.11円を更新していたことに鑑み、基調に関する判断は不変。強気基調がむしろ強化された見方もでき、これから続伸して再度同高値のブレイクがあれば、モメンタムの加速が想定されるだろう。すなわち、75.11円の打診自体が強気のサインと解釈され、これからも有効である。
6月第3週の罫線自体が典型的な「スパイクハイ」のサインを点灯したため、同高値の打診や一時の更新があったからこそ、元の強気基調への復帰が暗示されたとみる。既述のように、6月後半からの値動き、高値圏における保ち合いの一環という位置付けであったが、調整波完成の証拠として強気のサインとして解釈されてきた分、一時に留まったものの、高値トライ自体は続伸のサインとして見られる。
そもそも反落自体を調整波とする位置付けは、3月安値からほぼ一直線に急伸してきただけに、何らかの形でスピード調整の先行が想定されたため、6月前半における反落に関する基本的な見方は変わらない。
反面、6月第2週の値幅に包まれる形で週足における大きな「インサイド」のサインの形成やレンジの上限打診はほかならぬ、調整波の早期完成やメイン基調の維持を示唆するため、基本的な見方は不変。
スピード調整の一環として短期スパンにおける調整波継続の有無がもっとも重要な課題だったことも、先週の一時高値更新で見方を更に強化したと思う。
すなわち、調整波が完成され、6月後半からすでに上昇波に復帰しており、これから上値トライがしやすく、まず76~77円台の上値トライを果たすだろう。
肝心なところも繰り返し指摘してき通り、コロナショックで3月19日まで大きく続落、一時60円の心理大台を割り込んだこと自体が豪ドル安のクライマックスだった。また年初来高値を一旦更新したことに鑑み、切り返し自体はもはや調整波ではなく、推進波として数える。故に、途中のスピード調整があっても、ブル基調を維持できる。
コロナショックと相まって、恐怖のドル買いやドル・クランチの進行で豪ドルは資源国通貨として売られやすかった側面が大きかったが、76円台後半までの急伸で同売られすぎに対する修正は完全に果たし、2019年年末の高値更新やブレイクは証左のサインと見なせる。
つまり、3月安値を起点とした上昇波はメイン変動と見なせ、すでに新たな段階に入ったため、先週の続伸をもって6月後半から新たな上昇子波の進行として位置付けられる。これから6月高値の再打診につながるというメインシナリオの蓋然性も強化されたとみる。
豪ドル対米ドルのV字型反騰と同様、株式市場のパフォーマンスや市場心理に依存する側面も大きく、場合によっては変動幅の一段の拡大も覚悟していたが、豪ドル売りが観察されず、むしろ豪ドルの堅調が目立つほどだったことも、先週にて同傾向が一段と確認されたと言える。
従って、ドル全体がなお下値トライの余地を示しているなか、今週豪ドル/米ドルと連動した上値トライがなお継続されよう。米ドル/円次第、高値圏での弱含みがあっても、保ち合いを維持できる公算。