英ポンド/米ドル (1.1840〜1.2640) 5月14日〜5月20日まで

アナリシス:

皆さま、こんにちは! 本日5月14日時点でのコロナ感染者は435万人を越えています。死者数は29万5千人と、早くも今週中に30万人を超える勢い。欧米の感染者、死者数がやや鈍化しているとの報道もありますが、今週に入り1日100人台の死者数だったフランスでも300人超の日も出てくるなど、依然としてコロナ感染の驚異は侮れない状況です。

米国では早期に2兆ドルの経済刺激策を打ちましたが、野党民主党は追加の3兆ドルの経済刺激策を提案しています。これに対し与党・共和党が民主党の提案する制度内容に反対意見を示しているものの、議会は3兆ドル規模の追加景気刺激策で議論が進みそうです。この法案が通れば、米経済の下支えの好材料として株価の一段高が期待できるでしょう。

また、原油安も一旦歯止めがかかり、現在NY原油先物は25ドル台となっています。
5月13日には、米エネルギー省が当初3000万バレル購入予定だった戦略備蓄向け原油を変更、最大100万バレルと発表しました。石油企業のコロナによる打撃を支援する取組みの一環として、アメリカ国内の中小規模の生産会社から購入するものとされています。

米国同様、イギリスでも石油の需要は激減しています。

英政府統計局(ONS)は5月13日、2020年第1四半期(1~3月)の国内総生産(GDP、速報値)が前期比で2%縮小したと発表しました。第4四半期の0%からマイナスに転じ、落ち込み幅はリーマンショックによる金融危機が直撃した2008年第4四半期以降で最大を記録しています。新型コロナウイルス対策として3月下旬から導入したロックダウンの影響が顕著に現れていると言えます。

GDPは前年同期比で1.6%の減少。こちらも前期の1.1%増からマイナスに転じ、2009年第4四半期に記録した過去最大の落ち込みと並んでいます。

このような打撃を受けて、英国もまた賃金補助を2020年10月末まで延長すると発表しています。当初は3〜5月分が対象となっていましたが、その後6月まで延長。6月までの見通しでは7月以降に大量の失業者が想定されることから、今回の延長に踏み切ったわけです。この延長により政府負担は1000億ポンドになる見通しです。

向こう1週間の重要指標です。

5月15日(金)
18:00 EUR・GDP改定値
21:30 米・小売売上高

5月18日(月)
8:50 日・GDP速報値

5月19日(火)
17:30 英・失業保険申請件数・失業率
18:00 EUR・ZEW景況感調査
23:00 米・パウエルFRB議長発言

5月20日(水)
17:30 英・消費者物価指数
18:00 EUR・消費者物価指数
27:00 米・FOMC議事要旨

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/米ドル(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス下段。−2σまでは若干の距離があるため、ここを埋めてくる可能性大です。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/米ドル(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス下段。方向としては下げ目線。−2σまでかなりゆとりがあるため、ここをしっかりと埋めてくるのか、途中で折り返すのかがポイントとなります。

日足チャートです。

【図表3】英ポンド/米ドル(日足)
出所:筆者作成

トレンドレス下段。ここで反発するか、月足・週足の形状から安値を更新していくかの場面となります。

次に4時間足です。

【図表4】英ポンド/米ドル(4時間足)
出所:筆者作成

短期的にはダウントレンド第1波スタートと認識しますが、どこをブレイクラインと見るかが難しい状況です。下げるにしても戻り目が深く、戻り目でエントリーのタイミングを計るのが難しい相場環境です。

最後に1時間足です。

【図表5】英ポンド/米ドル(1時間足)
出所:筆者作成

ダウントレンド1波後戻り目形成中。このまま、MAもしくはミドル反発をしてトレンド継続となるかどうかの場面です。

上記の分析からエントリーポイントとして、

予想レンジ:1.1840〜1.2640

買いをするなら
・1.2180〜1.2210付近で日足トレンドレス下段からの逆張りエントリー。
・1.2015付近週足サポートラインから逆張りエントリー。

売りをするなら
・1.2230~50付近から1時間足戻り目順張りエントリー。
・1.2215を下にブレイクしたら短期足を使って戻り目エントリー。
・1.2280~90の1時間足トレンドレス上段からの逆張りエントリー。