米ドル/円 日足

週間予想レンジ:108.50~110.00

メインストラテジー:押し目買い

・再度200日移動平均線を巡る攻防が続き、上昇モメンタムの低下が見られた
・8月高値は分水嶺、11月高値の再更新で新たな上昇余地を拓いた
・ただし、先週高値更新してから一転して大陰線で大引け、保ち合いの延長を示唆

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週、高値を更新してから一転して大陰線で大引け、週足では「弱気リバーサル」のサインを点灯、保ち合いの再延長を示唆。もっとも、先々週の大陽線は109.50円を再び突破し、8月高値のブレイクをホンモノであったことを証左していた。

そのため、先週の「再否定」があったとしてもあくまで途中のスピード調整と見なし、高値再打診自体の意味合いが消滅したとは言えない。米中合意に対する警戒感が強く、目先円買い優勢につながったとみる。

もっとも、週足におけるサインは整合性を持って判断すべきで、11月第1週の大陽線がもっとも重要だったことも繰り返し指摘してきた。11月第2、第3週の値幅は共に低下していたので、第1週の罫線と「インサイド」を形成し、先々週の高値トライをもって上放れを示唆したわけである。

8月高値109.33円のブレイクをもって新たな段階入りが示唆された以上、先週の再反落は一種の「振り落とし」と見なされ、上昇モメンタムの加速が本格化される前における「足踏み」の状態だと認識できる。

テクニカル上の証拠は変わっていない。8月1日の大陰線、典型的な「弱気リバーサル」&「アウトサイド」のサインを点灯したからこそ、8月の安値につながった。

同日高値は「分水嶺」の役割を果たし、ブレイクがあれば最早「切り返し」ではなく本格的な上昇波と化したはずなので、先々週の高値更新はその証左や結果と見なす。

また、まだまだ初歩段階であるからこそ先週の波乱をもたらした。しかし、中期スパンでは、4月高値112.41円までの上昇は途中の抵抗があっても総じてスピード調整にすぎず、先週の足型を過大評価すべきではなかろう。

度々強調してきたように、8月26日の一時安値更新や当日の陽線引けがあって、底打ちを果たす「リバーサル・デー」を果たしたわけだ。同サインの有効性は109.33円のブレイクをもって最終的に証明された以上、また8月安値打診自体が究極な「ダマシ」であったことを証左。

同「ダマシ」のサインに対する反動高の意味合いでも112.41円の回復を図り、さらに2018年高値の114.56円の打診に道筋を付けるだろう。この意味において、先週の波乱自体が出遅れるロング筋に再度参入の好機を提供してくれるはずだ。

日足では、12月2日の大陰線は「弱気リバーサル」のサインを点灯、12月6日の米雇用統計が好調であっても反応薄、同サインの効き目を示唆。目先保ち合いが続き、2日高値109.73円の再打診まで時間がかかるだろう。

しかし、一旦打診があれば、上昇モメンタムの加速が「ホンモノ」となり、4月高値112.41円までの回復を加速しよう。107円台後半~108円関門前後はサポートゾーンとしてなお有効であり、何らかの材料なしでは安易な下放れがなかろう。押し目買いのスタンスを維持したい。

豪ドル/円 日足

週間予想レンジ:74.00~75.50

メインストラテジー:押し目買い

・8月の底打ち、9月高値のブレイクをもって確定され、ブル構造は鮮明
・先週の続伸もあって、7月高値76円台前半の打診はもはや短期目標と化す
・11月高値のブレイクがあれば、新たな上昇段階に入り、モメンタム加速へ

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週は続伸、先々週に続き小幅反騰に留まったものの、再度陽線で大引け、途中のスピード調整がすでに終焉したことの証左を示す。

週足では、先々週や先週と同様、11月第2週と「インサイド」のサインを形成、これからのブレイクをもって次のステップに入ることを示唆。

11月第2週で発表された豪雇用統計は芳しくなく、結果的に豪ドルの一時「深押し」をもたらしたものの、結果的には「底割れ」を回避した。先週高値74.86円までの切り返しもあって、これから再度高値トライの公算を高める。

既述のように、8月安値から引かれるメイン支持ラインを維持、また目先も同ラインを維持しているから、同蓋然性が高いとみる。

度々指摘してきたように、9月高値へのブレイクをもって8月安値を起点とした上昇波の継続を確認できた。これからも息の長い上昇を果たせるから、目先を含めスピード調整があってもメインシナリオは不変となる。

換言すれば、8月安値69.95円を起点とした上昇波は推進波であり、ブルトレンドはまだ初歩段階、「深押し」があっても同位置づけは変わらない。またスピード調整があったからこそより健全なブルトレンドを形成できる公算なので、11月における調整や先週までの切り返しはスピード調整の一環と見なせる。

11月中の反落、10月2日安値71.72円までの反落が途中のスピード調整を果たしたところと同じ構造を示す。10月2日安値までの調整があったからこそトレンドを健全化させ、その後76円前半のトライを果たしたわけだ。

そのため今回も調整一巡後、ブルラリーの進行が期待でき、先々週に続き先週の続伸自体を証左材料とみる。

もっとも、8月26日のサインが果たした「リバーサル・デー」の役割が大きく、9月高値のブレイクをもって最終認定が図られたわけ。ゆえに、ブルトレンドは76円台に留まることがなく、これからも継続される公算が大きいから、目先はなお途中とみる。

最近のサインとして、11月7日の陽線を中心に形成された「Ioi」のサイン(アウトサイドやインサイドを前後にして共有)、その下放れで続落をもたらし、また11月14日の大陰線や73.35円の安値打診に繋がった。

同サインの指示ターゲット(倍返し)がすでに11月14日安値をもって達成され、反落一服感が強かった。先週の高値トライは同11月14日大陰線や11月29日まで形成された「インサイド」の上放れを果たした意味合いに鑑み、強気スタンスの維持は当然視される。

12月4日の「強気リバーサル」の罫線も強気継続のサインとして見なし、押し目買いのスタンスを維持していきたい。