米ドル/円 日足

週間予想レンジ(2/4週):107.50~109.80            

メインストラテジー:戻り売り

・フラッシュ・クラッシュに対する反動は一旦終焉
・FOMCスタンスの修正、短期スパンの値動きを左右
・110円関門を本格的に上回れない限り押しが先行される

【図表】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

FOMC後ドルは反落してきた。FRBスタンスの修正は少なくとも短期スパンにおける米ドルの圧力になると推測され、先々週続いたリバウンドは一旦頭打ちされた公算が大きい。一方、2月1日反発、週足では「スパイクロー」のサインを点灯、幾分拮抗の様子を示す。

もっとも、米ドル/円の反落はドル全体(ドルインデックス)と連動する傾向にあり、円全体のパフォーマンスよりも外貨次第の値動きを強めていくだろう。この意味では、ドルインデックスの続落、米ドル/円の続落をもたらす余地あり、またしばらく継続される見通しで、1日の切り返しはあくまで途中のスピード調整と見なすべきであろう。

1月23日の一時110円関門の打診で同18日~22日で形成された「インサイド」の上放れを一旦果たしたものの、継続されずにして反落、同日自体が1月25日まで形成された新たな「インサイド」も1月28日にて下放れされ、1月23日高値が示したトップアウトの意味合いを強化したとみる。

同意味合いを更に強化したのが1月30日の陰線であり、同日の陰線は弱気「インサイド」、また「アウトサイド」のサインを点灯、反落継続の蓋然性を示唆。従って、2月1日大きく反騰したものの、1月30日高値109.75円を上回れない限り、ブル基調への回復はないとみなされ、また110円関門のブレイクなしでは続落してこよう。

下値ターゲットでは、年初急落で作った安値から全戻りの値幅を測り、0.382押しは108円関門前後が最初の目安になるでしょう。その後半分押しの107.45円前後になるでしょう。が、押しが継続されても下値余地が限定されるでしょう。

より長い視点では、2015年高値を起点とした大型トライアングル型保ち合いが仮に現時点までなお継続されているとみる場合、やはり2018年3月安値を下回るかどうかをひとつの基準として判断しやすい。同安値割れを回避しているところ、大型保ち合いの基盤がなお維持され、1月2日罫線で形成された「スパイクロー」のサインが大きな証左となる。

換言すれば、1月2日の「スパイクロー」のサインが証左されたからこそ、切り返しがしばらく継続され、先々週の110円関門トライにつながった。ここから押しが先行されても、あくまで「二番底」を形成していくから、107円半ば前後は押しの限度と暗示される。

豪ドル/円 日足

週間予想レンジ(2/4週):78.50~80.50            

メインストラテジー:レンジ取引&押し目買い

・年初のクラッシュに対する反動は続く
・79円前後の抵抗を上回ったから、切り返しの余地を一段と拓く
・米ドル/円の影響を受けるが、豪ドル/米ドルの切り返しにつられ、豪ドル高に反応しやすい

【図表】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週続伸、先々週の「星線」の後に続いた分、年初来の切り返しの継続を示唆。1月25日大陽線をもって強気「リバーサル」のサインを点灯していた先々週、週足における「スパイクロー」の陽線を形成、先週の続伸を当然視されるわけだ。換言すれば、先々週の保ち合いは切り返す途中におけるスピード調整で、むしろ切り返しの値動きをより健全化させた側面が大きく、これからも効く見通し。

1月25日最後の「リバーサル」があったからこそ、これから79円関門の打診をもって重要な抵抗ゾーンを試す、といった見通しの通り、先週同関門の上に大引けした。同抵抗ゾーン、2018年9月、10月の「ダブル・ボトム」の安値水準だったので、先週のブレイクで一段と上値余地を示し、年初のフラッシュ・クラッシュで作った「スパイク」のサインがより鮮明にさせたわけである。

もっとも、既述のように、年初のフラッシュ・クラッシュは年始の商い薄があって、米ドル/円のクラッシュがもたらした値動き。一気に2016年安値を一旦割り込み、米ドル/円以上のクラッシュを演じたが、急落時の値段はその殆どがウェリントン取引時間帯において数分間の出来事で、その値動きのすべてを「正当化」できない。

その上、1月2日の大陰線は値幅の大きさで典型的な「長大線」を形成し、安値トライしてから急速に反発してきた上、比較的に高く大引けしたため、「スパイクロー」のサインも点灯していた。その後先週まで連続「四連陽」の週足を形成し同サインの効き目を証左、切り返し自体は同サインの指示通りなら、これからも大きな役割を果たすとみる。

実際、2016年安値を一旦割れとはいえ、同日安値と大引け値の間で2.5円程度の差があって、安値更新自体が「フォールス・ブレイクアウト」、即ち「ダマシ」だった可能性が大きかった。79円関門前後までの続伸は同可能性を証左する値動きとなり、長期スパンにおける底打ちを示唆したとみる。

この意味では、先週の切り返し、また再度79円関門のブレイクは重要なサインであった。レンジの上方修正という意味合いでは、一旦80円心理大台のブレイクを果たし、また同半ばや後半の打診があってもおかしくなかろう。ただし、米ドル/円の反落があれば、豪ドル/円の上値余地を一旦制限してくる可能性もある。豪ドル次第の側面が大きいものの、今週上値トライしてから一旦頭打ちになる可能性にも注意しておきたい。