米ドル/円  日足

週間予想レンジ(1/21週):108.50~110.50

メインストラテジー:レンジ取引&押し目買い

・フラッシュ・クラッシュに対する反動が続く
・しかし、あくまでリバウンドの一環と見なし、上値限定
・一方、変動レンジの上昇修正につながる

【図表】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先々週の「星線」に続き、先週は大幅切り返し、109円台後半の打診をもって年初来急落への反動を示した。年初のフラッシュ・クラッシュがあっただけに、先週の切り返しは当然の結果とみる。

フラッシュ・クラッシュ自体が2日ウェリントン取引時間帯において数分間の出来事で典型的なクラッシュだったため、その値動きのすべてが「正当化」できないなら同クラッシュへの反動も当然の成り行きで、先週の切り返しがあってもなお途中かと思われる。

もっとも、クラッシュにあった1月2日の大陰線、値幅の大きさで典型的な「長大線」を形成し、安値トライしてから急速に反発してきた上、比較的に高く大引けしたので、「スパイク」のサインも点灯していた。切り返しを同サインの指示通りと見なされる側面も大きく、同サインの効き目が見られる以上、しばらく「スパイクロー」の役割を果たすでしょう。

より長い視点では、2015年高値を起点とした大型トライアングル型保ち合いが仮に現時点までなお継続されているとみる場合、やはり2018年3月安値を下回るかどうかをひとつの基準として判断しやすい。同安値割れを回避しているところは大型保ち合いの基盤がなお維持され、前記「スパイクロー」のサインが大きな証左となろう。

換言すれば、「スパイクロー」のサインが証左とされるなら、ここから年初来安値を下回るばかりか、「押し目待ちに押し目なし」の可能性も大きく、また切り返しがしばらく継続される公算が大きい。年明けからの急落、当週の高値は110円台半ばだったことに鑑み、一旦トライがあってもおかしくなかろう。

反面、クラッシュがあっただけに、110円半ばの打診があれば、切り返しの一服が想定され一直線な上値打診もなかろう。週足では、年初の「長大線」がその後の週足を「包む」、という形で「インサイド」のサインを点灯する確率は高く、戻り切れない場合はあくまで中段保ち合いに留まるでしょう。メインスタンスのレンジ取引を維持しておきたい。

豪ドル/円  日足

週間予想レンジ(1/21週):77.50~80.00                   

メインストラテジー:レンジ取引&押し目買い

・米ドル/円と共に反騰、米ドル/円次第の側面は大きい
・年初のクラッシュに対する反動、という視点では当然の成り行き
・マクロの視点では、2016年安値と「ダブル・ボトム」を形成する可能性

【図表】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週は続伸、米ドル/円と共に切り返しを果たし、また79円関門の打診をもって重要な抵抗ゾーンを試す段階に来ていることを示し、地合いの改善が図られたといえる。

同抵抗ゾーンは2018年9月、10月の「ダブル・ボトム」の安値水準だったため、先週の戻りで一段と上値余地を示し、年初のフラッシュ・クラッシュで作った「スパイク」のサインがより鮮明に。

もっとも、既述のように、同フラッシュ・クラッシュは年始の商い薄があって、米ドル/円のクラッシュがもたらした値動きである。一気に2016年安値を一旦割り込み、米ドル/円以上のクラッシュを演じたが、急落時の値段、その殆どがウェリントン取引時間帯において数分間の出来事で、その値動きのすべてを「正当化」できないと思われた。

その上、2日の大陰線、値幅の大きさで典型的な「長大線」を形成、安値トライしてから急速に反発してきた上、比較的に高く大引けしたため、「スパイク」のサインも点灯していた。先々週に続き、先週の切り返しがあって同サインが「スパイクロー」であることを証左、切り返し自体が同サインの指示通りなら、これから大きな役割を果たすでしょう。

実際、2016年安値を一旦割れたとはいえ、同日安値と大引け値の間で2.5円程度の差があって、安値更新自体が「フォールス・ブレイクアウト」、即ち「ダマシ」だった可能性が大きかった。先週までの続伸、同可能性を証左する値動きとなり、長期スパンにおける底打ちを示唆したとみる。

この意味では、先週の79円関門試しは重要なサインであった。既述のように、2018年10月安値自体も一旦9月安値の下放れを見せてから切り返したので、もともと「フォールス・ブレイクアウト」のサインを点灯していた。

そのため、同安値が更新された以上、しばらく一転して抵抗と化す可能性が大きかったため、先週の切り返しや前記安値水準の打診自体が切り返しのモメンタムや上値余地を示唆。この場合、一旦80円心理大台の打診があってもおかしくなかろう。

また、中国の金融緩和策発動で相場心理の改善も想定され、豪ドルは中国景気に敏感に反映する習性があるからこそ、米ドル/円以上に地合いの改善が進んでもおかしくなかろう。

ただし、80円台半ば~同後半にメインレジスタンスが密集、切り返しの継続があっても一直線なブレイクは容易ではなかろう。77円関門~77円半ばは当面のサポートゾーン、早期下放れなしでは中段保ち合いが続き、ややレンジの上方修正に動くかと推測される。