英ポンド/円 (139.00~146.00)
アナリシス:
皆さん、こんにちは! この1週間は株価が大下落となりました。ダウ平均の下げから日経平均も影響を受け、25日の東京市場では1,000円超の下落となりました。米中の通商問題が発端となっての下げですが、26日は反発し、日経平均も2万円台に戻ってきています。2019年早々の動きが気になるところです。
2018年はドル高に動いた1年でした。また、英ポンドに特化して見てみると、対ドル、対円どちらに対しても弱い動きとなりました。欧州連合(EU)離脱を巡る様々なニュースも影響して、英ポンド安が進んだ年でしたが、本日は2018年最後のレポートですので、2019年はどのような動きになりそうかを最後にまとめてみたいと思います。
イギリス政府は21日に、英国内の企業に対EU域内との取引がある場合、英国が何の合意もなくEUを離脱した場合の準備に直ちに着手するよう呼びかけました。しかしながら政府の見解では、合意がまとまらない可能性は低いとの姿勢を維持しています。
歳入関税庁(HMRC)はこの日、合意なし離脱の場合の通関手続きへの準備に関するウェブサイト上の情報を更新しました。サイト内では、「パートナーシップ・パック」と題する情報が公開されており、10月に最初に掲載されてから随時、内容が更新されてきました。
しかし今回はこれまでと違い、直ちに対策を取る必要性を強調しています。具体的には、通関手続きの代行業者の手配や、輸出入申告用のソフトウエアの導入、EU域内の税関が使用する事業者登録・識別(EORI)番号の取得などを促しています。
2019年1月14日の週に下院の選挙が予定されていますが、こういった英国内の措置からしても、最悪の事態に備える政府の態度が顕著になってきました。
他方、メイ首相が欧州連合(EU)と合意した離脱協定が英下院で承認される見通しが立たず、合意なしでのEU離脱が現実味を帯び始めていることを受け、閣内から次善の策を提案する声が上がっています。EU残留派のラッド雇用・年金相が、2度目の国民投票が正当化される可能性を示唆する一方、離脱派のレッドソム下院院内総務は「管理下での合意なし離脱」を提案しているとBBCでも報じられています。
ラッド雇用・年金相は19日に出演した民放ITVの番組で「2度目の国民投票は一般論としては支持しないが、下院での議論が完全に行き詰まれば、それを正当化する声が高まるだろう」と話していました。これに対し、レッドソム下院院内総務は20日、公共放送BBCのラジオ番組で、2度目の国民投票は「政府の方針ではなく、受け入れられない」とコメント。制度の激変を避けるため、何らかの移行期間を含む最小限の合意だけを結び、EUを離脱する手法が提案されました。
年明けからの英ポンドの動向には、ますます目が離せなくなりそうです。
それでは、月足チャートです。
トレンドレス下段。−2σタッチまで来ましたので、ここが安値となり、1月以降上昇方向に転じるかどうかがポイントになります。
続いて、週足チャートです。
トレンドレス下段。前回の想定では、139円後半から140円前半まで下落するかがキーポイントと言っていましたが、想定通り139円台まで下落しました。若干週足のトレンドレス下段の安値を更新する形となりましたので、ここから今週以降で陽線となり、週足の真ん中方向に切り上がるのか、再度安値を更新するかの場面となります。
最後に、日足チャートです。
米ドル/円の下げにも釣られて、ダウントレンドになりました。ただし、月足・週足からの状況から、このまま下げ続けるよりも一旦トレンドは終了との見方が第一シナリオとなります。
それでは、向こう1週間の重要指標です。年末年始ということもあり、注目指標は、27日(木)24:00 米・新築住宅販売件数のみとなります。
以上の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。
予想レンジ:139.00~146.00
メインストラテジー:
買いをするなら、
・139.80円~140.10円の4時間足Wボトムを根拠にエントリー
・140.70円~140.90円のレジスタンスラインを上抜け後、再度ここで支えられたら逆張りを根拠にエントリー
売りをするなら、
・140.70円~140.90円のレジスタンスラインを根拠に逆張りエントリー
・141.40円~140.60円の日足サポレジ転換+順張りミドルライン反発を根拠にエントリー
さらに、2019年の想定です。
これは月足のトレンドレスを下にブレイクせずに英ポンド買いになった場合の想定で、全部で3パターンになります。
今の安値を更新せずにそのまま上昇していくか、安値を少し更新していくかが大きな分かれ目となるでしょう。
また、トレンドレス上段まで1年で上がるかどうかもポイントです。2019年、米ドル売り円買いの動きとなれば、英ポンド/円はたとえ上昇したとしてもトレンドレスの真ん中辺りでもみ合いとなり、大きな上昇を見込めない可能性もあります。
続いては、英ポンド/円がダウントレンドになる想定です。
2019年早々に合意なき離脱の道を選んだ場合や、2回目の国民投票となり、先行き不安定になった場合にダウントレンドになる可能性が出てきます。
加えて、米ドル売り円買いとなれば、英ポンド/円も米ドル/円との相関性が強くなり、ダウントレンドになる可能性を秘めています。
いずれにしても、2019年前半でEU離脱の方向性が見えてきますので、注視しなければなりません。
2019年もどうぞよろしくお願い致します。