方向感がなかなか出ない相場展開が続く可能性
米ドル/円は112円台まで円高が進んでいます。週明け11月19日の株安要因にはならなかったのですが、しばらく114円台が上値の壁として意識されそうです。
というのは、今年の安値は3月に付けた1ドル=104.55円。そこから円安トレンドは続いていますが、すでに3回大きな高値を付けたのが確認できます。最初の高値は5月に付けた111.39円前後、2回目は7月に付けた113.16円、3回目が10月に付けた114.54円です。
11月の高値が114.20円なので、3回目の高値を超えられない状況で、112円台に入ってしまいました。このまま、10月の安値111.36円を下回ると、10月高値と11月高値とでダブルトップのパターンになってしまいます。
一方、それよりも可能性の高い値動きは、10月高値を起点にしたモミ合い相場です。
モミ合いといってもいろんなパターンがあります。例えば、1つ目は、高値が切り下がり、安値は切り上げるパターン。2つ目は、高値が切り下がり、安値も切り下げるパターン。そして、3つ目は、高値が切り上がり、安値も切り上げるパターン。
実は、米ドル/円はこのモミ合いがよく発生します。アベノミクス相場以降でも、上述した3つのパターンはよく出てきます。今回、11月高値が10月高値を上回っていないので、3つのうち、3つ目の高値が切り上がり、安値も切り上げるモミ合いは消える。だとすれば、1つ目と2つ目のパターンになるかもしれません。
いずれにしても、方向感がなかなか出ない相場展開が続く可能性大。株価も為替ばかりを気にしていると焦点が定まらない、そんな年末相場になる可能性はありますね。
米国市場は感謝祭翌日から日曜日までの消費動向に注目
今週は11月23日が祝日のため4日立会い。米国市場も11月22日はサンクスギビング・デー(感謝祭)で休場があり、全般的に市場参加者の減少が予想されます。米国市場では年末までの商戦を占う上でも、感謝祭翌日から日曜日までの消費動向に関心が移ります。
感謝祭の日が含まれる週末終値から12月最終週までの米S&P500の過去のパフォーマンスをみると、直近24年間の平均は1.34%程度と決して魅力的な期間とはいえませんが、リーマンショックを通過した2009年以降の勝率は7勝2敗と悪くありません。しかも、小型株の方がパフォーマンスは良好です。日本株もそうなのか? だとしたら、為替はあまり気にする必要はなさそうです。