直近のJ-REIT価格動向:長期金利の急上昇の影響を受け、2,000ポイントを挟む展開
2026年に入ってからのJ-REIT価格は、長期金利の急上昇の影響を受けている。東証REIT指数は2025年末の2,014ポイントから1月16日には2,068ポイントと上昇基調であったが、1月19日から反落し1月26日には2,000ポイント台を割り込むと、その後は2,000ポイントを挟む展開が続いている。
価格下落要因は、長期金利の急上昇と考えられる。長期金利は、1月19日に高市総理大臣が衆議院を解散する方針を示し、自民党の選挙公約に飲食料品を2年間、消費税の課税対象から外すことを掲げるなど、財政出動の拡大懸念から急激に上昇した。2025年12月後半から2%を超えるようになった10年債利回りは、1月20日には2.3%を超える水準になる場面もあった。
一方でJ-REIT価格は2025年に10年債利回りの上昇基調の中でも上昇してきた。したがって、1月中旬からの下落は、長期金利が急上昇し、その後の金利上昇の幅が見通せないという投資家の懸念が拡大したためと考えられる。
今後の財政支出拡大から長期金利上昇への懸念があり、J-REIT価格は足踏みする展開が継続
長期金利急上昇の要因ともなった衆議院解散は、自民党が単独で定数の3分の2を超える議席を獲得し、大勝した。株式市場では日経平均株価が年初来で11%を超える上昇(2026年2月10日時点)となり、政権基盤の安定を投資家が評価しているのだろう。
一方でJ-REIT価格は、前述の通り東証REIT指数では2,000ポイント前後での推移が続き、上昇に転じていない。これは今後の財政支出拡大から、長期金利上昇への懸念が残っているためだと考えられる。
この懸念は当面残るため、J-REIT価格は足踏みする展開が続きそうだ。ただし、今回の選挙結果で自民党は参議院で法案が否決されても衆議院で再可決できる状態となっている。その中で高市政権は、長期金利上昇の要因ともなった飲食料品を2年間、消費税の課税対象から外す方針について、国民会議での議論の行方を見極める姿勢を示している。
J-REIT価格が上昇するために必要なこと
つまり、消費税減税は自民党単独でも実現できるにもかかわらず、財源確保の可能性を模索するために「先送り」していることになる。この点からすると、長期金利の更なる急上昇の懸念は、時間の経過とともに解消していくと考えられる。
上記の理由から、J-REIT価格が上昇する可能性は高くなっている。株式市場と比較して出遅れ感が強い点や、価格下落要因となった国内長期金利の急上昇への懸念が解消するためである。さらに外国人投資家のJ-REIT買い要因ともなる米国長期金利低下も期待できる状況になっている。
現状の予想分配金水準が維持でき、東証REIT指数が2,000ポイントであれば、分配金利回りは4.5%程度と高い状態だ。米国債利回りがさらに低下すれば、2025年に事業会社に次ぐJ-REITの買い手となった外国人投資家のさらなる買い越しが想定されるだろう。
