選挙後の長期金利上昇一巡=為替は米ドル安・円高に反転

衆院選挙の終了を受けて、日本の長期金利上昇に一巡感が出てきた。自民党の歴史的圧勝に伴う政権基盤の安定化により、強引な消費税減税などで一段の財政悪化に向かう懸念が後退したためとされる。こうした中で、長期金利上昇に連れた米ドル高・円安にも変化の兆しが出てきた(図表1参照)。

【図表1】米ドル/円と日本の10年債利回り(2025年11月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

米ドル/円は、選挙終了直後こそ157円台後半まで上昇したが、その後は一転して下落に向かい、2月11日には152円台まで米ドル安・円高に戻す展開となった。これは基本的に日米金利差(米ドル優位・円劣位)縮小に沿ったものだった(図表2参照)。

【図表2】米ドル/円と日米2年債利回り差 (2025年12月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

金利差変化に反応しない「財政懸念の円売り」は終わったのか?

米ドル/円は、2025年5月頃から日米金利差変化に反応しない状況が過去に経験したことがないほど長く続いていた(図表3参照)。その上で、日本の財政リスクを懸念した債券価格の下落、長期金利上昇と円安が連動するという「財政懸念の円売り」が拡大した(図表4参照)。それは2025年10月の高市政権誕生後、高市政権の「責任ある積極財政」主張にもかかわらず、むしろ一段と加速するようになっていた。

【図表3】米ドル/円と日米10年債利回り差 (2025年1月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成
【図表4】米ドル/円と日本の10年債利回り (2025年1月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

ただ、今回の衆議院選挙で与党が予想以上の圧勝となったことで、そうした「長期金利上昇=円安」の流れに一転して変化の兆しが出てきた。これがあくまで一時的な動きに過ぎないのか、それともかつてのように、米ドル/円が日米金利差変化に反応する状況に戻ることになるのか注目されるところだろう。

円高は一時的、それとも159円で円安が終わったのか?

「長期金利上昇=円安」が続く中で、米ドル/円は52週MA(移動平均線)を大きく上回る動きとなった(図表5参照)。これは、経験的には米ドル/円が2025年4月の139円から新たな上昇(米ドル高・円安)トレンドに入った可能性を示す値動きと言える。衆院選挙後の米ドル/円の下落があくまで上昇トレンドが続く中での一時的な動きに過ぎないなら、米ドル/円は足下で149.7円程度の52週MAを大きく下回らない程度にとどまる可能性が高い。

【図表5】米ドル/円と52週MA(2000年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

ただ逆に言えば、米ドル/円が52週MAを大きく下回る動きに向かい、例えば140円に向かう米ドル安・円高となるようなら、米ドル高・円安トレンドは1月の159円ですでに終了していた可能性が出てくる。