1.概況
本日の日経平均は110円高の2万1678円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。貿易戦争の懸念が再燃し先週末の米国市場でダウ平均は572ドルの大幅安となりましたが、底堅く推移したドル円が好感されてか日経平均は33円安の2万1534円と小幅安で寄り付きました。前場の日経平均は方向感が出にくい中で先週末の終値を挟んだ小動きとなり、前場を12円高で終えました。日経平均は後場寄りから上げ幅を広げると一時は169円高まで上昇しました。引けにかけてやや上げ幅を縮めた日経平均ですが、結局110円高と反発して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆2652億円と低水準でした。東証33業種は水産・農林業やパルプ・紙、保険業、電気・ガス業など24業種が上昇しました。一方で石油石炭製品やゴム製品など9業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップのマネックスグループ(8698)が5.8%高となったほか、任天堂(7974)、ファーストリテイリング(9983)、三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)などが上昇しました。一方でソフトバンクグループ(9984)、ファナック(6954)、キーエンス(6861)、安川電機(6506)が下落しました。材料が出たところでは、パソナグループ(2168)が16%近い大幅安となりました。先週末に発表した第3四半期決算で12-2月期の営業利益の前年同期比増益率が前四半期9-11月に比べて大きく鈍化したことなどが嫌気されたようです。一方で12-2月の3ヶ月の営業利益が前年同期比15.9%増と4四半期ぶりにプラスだった種苗の卸売などを行うサカタのタネ(1377)は5.2%高となりました。また、3月の既存店売上高が前年同月比2.5%増と昨年9月以来のプラスだったファミリーレストランのすかいらーく(3197)は1.8%高としっかりでした。
【VIEW POINT: 明日への視点】
米国株の大幅安を受け大きく下げて始まるかと思われた日経平均ですが、小幅安で寄り付き結局反発して取引を終えました。一時期は105円を割り込む水準まで円高が進んだドル円が107円近辺で底堅さを示していることが日本株の底堅さにつながっているとみられます。今週は小売企業を中心とした2月・8月決算銘柄の決算発表がピークをむかえるほか、米国で11日に発表される消費者物価指数(CPI)などが注目材料と言えそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)