1.概況
本日の日経平均は37円高の2万347円と4日続伸し3日連続で年初来高値を更新しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り政策金利の現状維持が決まったものの、FOMCメンバーの経済予測から年内に追加利上げが行われるとの見方が強まり米金利が上昇、円安ドル高が進みました。円安進行を受け日経平均は146円高と大きく続伸して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅をやや広げたものの、節目の2万500円が近づく水準では上値が重く前場を169円高で終えました。日経平均は昨日までの3日間で500円以上上昇したこともあり高値警戒感も出たのか後場寄りから上げ幅を縮めました。後場はほぼ上げ幅を縮める一方だった日経平均は結局37円高と1日の安値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆8207億円と連日で2兆円台後半と活況でした。東証33業種は3%を超える上昇となった鉱業や2.5%高となった不動産業など19業種が上昇した一方で、2%近い下げとなった鉄鋼など14業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。連日大幅高となっていた売買代金トップの任天堂(7974)は本日は3%近く下げています。ソフトバンクグループ(9984)、KLab(3656)、ソニー(6758)なども下落しました。一方で金利上昇を受け三菱UFJ(8306)が2%近く上昇したほか、三井住友(8316)、みずほ(8411)もそれぞれ堅調でした。材料が出たところでは、食べログ等を運営するカカクコム(2371)が1.7%高と堅調でした。70億円を上限に自社株買いを行うと発表したことが好感されました。一方で工場用資材等のネット通販を行うMonotaRO(3064)は6.5%の大幅安となりました。アマゾンジャパンがオフィス向けにパソコンや文房具などを販売する「アマゾンビジネス」というサービスを開始したことで競争激化が懸念されました。アスクル(2678)も5%近く急落しました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は連日で年初来高値更新となりましたが、連日の大幅高から利益確定売りが出て上げ幅を縮めました。FOMC、日銀の金融政策決定会合という重要イベントを通過し明日以降は再び北朝鮮問題や解散総選挙がマーケットの関心材料となりそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)