みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓についての解説になりますが、6月12日には史上初の米朝首脳会談が開催され無事に終了し、今週の残りの注目は日米欧の金融政策の結果に向かいそうです。
そうしたなか、前回、株価はどちらに動こうとしているのか、引き続き分析を続けていきたいとしましたが、早速確認してみたいと思います。

前回6月5日の終値時点では、25日移動平均線に押し返されて終えていた日経平均株価ですが、結果的には25日移動平均線を上回り、米朝首脳会談の当日には5月22日以来となる23,000円台を一時回復する場面がありました。
またこの23,000円台は5月21日の取引時間中の高値に接近していることもあり、このまま5月21日の高値を終値で上回るようですと、ようやく2月2日と5日のあいだにあけた窓を埋めることが視野に入りそうです。
一方で、5月21日の高値を取引時間中上回っても、終値で上回ることができずに押し返されるようですと、再び反落してしまうことが考えられ注意が必要になるかもしれません。
なぜなら、前回指摘した5月末から6月に入って形成された3つの窓を埋める可能性があるからです。では、その危険性が高まるにはどういったことが考えられるのでしょうか。
そこで重要になるのが、上向きの5日移動平均線上を維持できるかどうかです。
仮に5日移動平均線上を維持するようですと、5月の高値を更新して2月の窓を埋めることが期待される反面、5日移動平均線を下回ると同時に5日移動平均線が下向きに変化するようですと、先週せっかく上回った25日移動平均線を再び下回ってしまうことが考えられると同時に、前述の3つの窓を上から順番に埋めてしまうことが考えられるのです。
そうなると上向きに変化した75日移動平均線辺りまで下落することが考えられ、下落途中の押し目買いは控える必要があるということが分かります。
また高値掴みを避けると同時に5日移動平均線を割り込んだところでは、一旦利益確定やロスカットが必要になることも考えられます。
一方で、75日移動平均線で下げ止まるようですと、75日移動平均線と1月23日の高値とのあいだの大きなもち合いのなかでの値動きが予想され、押し目買いを行うことも視野に入れる必要が出てくるのではないでしょうか。
このように、窓を埋める過程でいろいろ新しい事象が発生し、その都度可能性を考えていかなければならないことがお分かりいただけたのではないかと思います。
今週は日米欧の金融政策の発表後に上下どちらに動くのか要注目になりそうです。

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コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
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