ボラティリティが少し低下してきました。主力株には期末特有の売りなども出ているのでしょうか? 上値が重いです。どうせなら、昨年のように3月末の権利付き最終日(3/26)までの上昇を見込みたいところ(昨年は3/27が高値)。ソニーやトヨタが高値抜けずの陰線包み足(3/12)、大和証券Gの陰線かぶせ足(3/12)、ファナックの遅行線逆転、ファストリは「三羽烏(陰線3本連続)」など、不格好な足型が目立ってきているのは確かです。

ディフェンシブの筆頭である薬品セクターで気になるのが、大日本住友製薬(4506)。1/24にガンの「再発」を防ぐ新薬の実用化に向け、近く臨床試験の申請を行うと報じられ、翌日まで急騰した株です。1/25は「寄り付き天井の大陰線、しかも出来高急増」と典型的な天井パターンとなりました。その後は調整が進みましたが、知らぬ間に当時の高値(1,570円)をうかがう動きになっています。買い残がこんなに多いのに・・・・

目先的には買い一服となる可能性ありですが、要マーク銘柄です。現状では、二番天井となる可能性も高いので、今すぐ出る必要はありませんが、以前の強い売り場(1/25)を逆に上回るとそれは強さ倍増。再び調整に入っても、三角もみ合いから一段高に発展し、2001年高値2,020円は超えてくるのではないでしょうか。

栄研化学(4549)は高値1,320円(1/29)のあと調整。「一陽介在五陰連」で強い押しを入れるも、適度な陰線交え持ち直しの戻り。同じく要注目です。やはり、今年の薬品株は面白い。あくまでも主観ですが・・・・、科研製薬(4521)がやっぱりこうなったように、下値固めから上に伸びてきそうな銘柄は多いような気がします。ロート製薬(4527)、久光製薬(4530)、持田製薬(4534)などもいいと思います。

業種は違いますけど、以前ご紹介した電気興業(6706)。1/25の大陽線で3ヶ月程度のボックスレンジを上抜けましたが、その後の調整から再び高値をとってきています。

注目は大陽線(1/25)のあとの「陰陽の数」。3/7に高値更新(もみ合い上抜け)となる直前までのもみ合い期間では、陽線の10に対し陰線は17。調整局面では陽線の数よりも陰線の数が多いほど、あとの相場は強い。陰線で押しを入れながらも、直前の安値を切り上げる動きは、実は将来に強い上昇をもたらしやすいのです。売り(陰線)が多くても下がらなかったら、上がるしかないからです。700円メドでとりあえず。

銘柄コードの6000番台でいけば、日本信号(6741)は井関農機(6310)と長い足がよく似ています。井関農機は以前から上げそうなチャートパターンだったので、1年ぐらいでしょうか、何かあるとみて興味深く見ていましたが、材料はTPPでしたか!

東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ