重要イベント目白押しだった先週のあとだけに材料不足感は否めないが日本株の投資環境は悪くない。欧米が金融政策正常化に向かう中、日銀の出遅れが目立ち、為替は円高にはなりにくい。一気に円安に振れるものでもないが、じりじりと円が安くなるほうが反動も出ず却っていいかもしれない。米中貿易戦争の懸念はダウ平均採用のグローバル製造業にとっては重石だが、米国のハイテク株は勢いを取り戻している。ナスダック総合は先週も上昇し4週連続高だ。

国内の環境としてはコーポレートガバナンス・コードが改定された直後に株主総会のピークを迎えるというタイミングに当たる。企業からはポジティブなニュースが出やすく相場の下支えになるだろう。利益率向上の目標化、自社株買い、増配などだ。トヨタ自動車が、現在60人以上いる名誉会長、相談役、顧問を9人に削減すると発表したのもその一環である。日本企業の組織の在り方は少しずつだが改善していく。これは外国人投資家からも評価されるだろう。

今週の目玉はメルカリの上場。注目度は高いが、だからと言って相場全体に与える影響は限定的だろう。そのほかの注目イベントは18-20日に開催されるECB年次フォーラム(ポルトガル・シントラ)。パウエルFRB議長、ドラギECB総裁、黒田日銀総裁のパネル討議、講演などが予定されている。22日にはOPEC定時総会(ウィーン)が開催される。協調減産延長か、あるいは減産緩和か市場の注目度は高い。

国内ではカジノ法案の成立が期待される。先週末、衆院内閣委員会はカジノを含む統合型リゾート(IR)法案を可決した。与党は19日の衆院本会議で可決、参院に送ることを目指している。20日までの今国会会期は延長される方向。IR関連銘柄が賑わいそうだ。

米国では19日にマイクロン・テクノロジーの決算発表がある。半導体中心にIT株物色のきっかけになるかもしれない。

日経平均は2万2000円台後半の値固めから2万3000円を挟んで推移するステージへの移行を目指す展開になるだろう。今週の予想レンジは2万2600~2万3100円とする。