大型連休明けの東京株式市場は、先週末のNY市場の動向に対して難しい解釈を迫られるところからのスタートとなろう。先週末のNY株式市場でダウ平均が332ドル高と続伸したことは週明けの東京市場にとってポジティブ要因になる。アップル(AAPL)の大幅高&ほぼ1カ月半ぶりの上場来高値更新が市場心理を好転させ主力のIT銘柄にも買いが波及して相場全体を牽引するという申し分のない内容だった。一方、4月の雇用統計では失業率が3.9%と17年4カ月ぶりに3%台に低下したものの、非農業部門の雇用者数が前月比16万4000人増と市場予想に届かず、平均時給の伸びも加速が見られなかった。これを受けて市場では米連邦準備理事会(FRB)は利上げを急がないとの見方が浮上。株式相場には追い風となったが、為替市場ではドルの売り材料となった。円は一時108円65銭まで上昇した。連休中につけた110円台からは1円以上円高に振れた。これは日本株の悪材料だ。結局、好悪材料が拮抗し、休み前と変わらずでのスタートとなるだろう。

今週はなんといっても決算発表が佳境を迎える。8日の三菱商事(8058)や三井物産(8031)などの商社、9日のトヨタ(7203)、ソフトバンク(9984)、10日のパナソニック(6752)が注目される。今期の営業利益が過去最高と観測報道のあった不動産3社のうち住友不(8830)が10日、三井不(8801)が11日に決算を発表する。円高で物色が内需系に向かう可能性もある。

重要イベントとしては、国内では9日に開催される日中韓首脳会談。海外では8日に発表される中国4月貿易収支や10日発表の米国の消費者物価指数が注目される。

今週の日経平均は決算発表のピークで改めて好業績を好感して2万2000円台後半を固める動きだろう。2月5日と6日の窓埋めはザラ場安値2万2659円、終値は2万2682円。1月高値からの下げ幅に対するフィボナッチの61.8%戻しが2万2684円。やはり2万2600円台後半がテクニカル的に重要な節目であろう。

日経平均のレンジは2万2300円-2万2900円としたい。