先週金曜日の米国株市場でダウ平均は500ドル安まで大幅安したあと急速に切り返し、反対に500ドル以上値上がりする場面もあった。結局、330ドル高で引けた。週明けの昨日もダウ平均は400ドル超の続伸となった。依然として乱高下が続いており、米国株相場がこれで下げ止まったとはとても言えない状況だ。それでも、S&P500は200日移動平均にワンタッチしたところで下げ止まり切り返した。長い下ヒゲを引いて陽線で終えた。チャートからは目先底入れの兆しがある。

とりあえず米国市場が反発したことで、週明けのアジア市場、欧米市場も安堵感から総じて堅調な地合いとなった。当然のように米国次第であるが、今週は落ち着きどころを探る展開となろう。

今週は14日に10-12月期のGDP(1次速報値)の発表がある。8四半期連続のプラス成長が見込まれている。翌15日は機械受注が発表される。11月分はマイナスの予想だったが蓋をあけてみれば2ヶ月連続の増加となった。12月分の統計も引き続き強いだろう。米国市場が落ち着いていれば、こうした良好な統計が相場の戻りを後押しするかもしれない。

より重要な指標は14日に発表される米国の消費者物価指数である。今回の急落の引き金を引いたのが雇用統計で発表された時間当たり賃金が予想を超える伸びとなったこと。すなわちインフレ懸念から金利上昇を招いたのである。であるならば、CPIで実際の物価上昇が加速しているかに注目が集まるのが道理だ。12月のCPI(コア)は前年同月比1.8%増と前月から上昇したが、これはまだ自動車などにハリケーンの影響が残っていたためだ。そうした特殊要因もそろそろ剥落してくる頃で、CPIで物価上昇が加速しているわけではないということが明らかになれば金利上昇も一服、株価安定につながるだろう。

「黒田日銀総裁、続投へ」と報じられたが、ほとんど為替市場は反応していない。事前の想定通りでサプライズがないからであろう。しかし、今後も緩和路線が継続されることは株式市場にとってのプラス材料であるのは間違いない。

今週の日経平均のレンジは200日移動平均を下値と考え2万1000円~2万2500円としたい。