今週は今年最後の1週間。ここで日経平均が2万3000円の大台に乗せて終われるかが焦点だ。さらに言えば、11月9日のザラバ高値2万3382円を更新できるかどうか。「マーケット・スナップショット」で書いた通り、TOPIXは連日年初来高値を更新してきており右肩上がりのトレンドが継続している。25日以降は日経平均の上昇確率が高い特異日が続く。掉尾の一振が期待できるだろう。
毎年、年末は小型株が賑わう。特に日経JASDAQが連騰しやすい傾向はよく知られている。今年も個人投資家中心に小型株・新興市場銘柄物色が想定される。一方、ビットコインの急落の影響がどうでるか。ビットコインを手掛けるプレーヤーのなかには相当程度、日本株やFXの短期トレーダーが含まれているだろう。ビットコイン相場で痛手を負った投資家が利益の乗った日本株を合わせ切りする必要に迫られるかもしれない。
指標面では見るべきものが少ないが、日本では26日にCPI(全国消費者物価指数)が発表される。あとは28日の鉱工業生産。米国では27日にコンファレンスボードの消費者信頼感指数が発表される。11月は5ヶ月連続で上昇し、2000年11月以来17年ぶりの高水準となった。年末商戦好調の観測が伝えられており引き続き消費者センチメントは良好と思われる。米国株やドル、金利の支えになるだろう。無論、日本株相場にもポジティブである。
日経平均の予想レンジは2万2700円~2万3400円とする。
- 広木 隆
- マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
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上智大学外国語学部卒。神戸大学大学院・経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。帝京平成大学・人文社会学部経営学科教授。社会構想大学院大学・客員教授。国内銀行系投資顧問、外資系運用会社、ヘッジファンドなど様々な運用機関でファンドマネージャー等を歴任。2010年より現職。
テレビ東京「モーニングサテライト」、BSテレビ東京「NIKKEI NEWS NEXT」等のレギュラーコメンテーターを務めるなどメディアへの出演も多数。
著書:
『ストラテジストにさよならを 21世紀の株式投資論』(ゲーテビジネス新書)
『9割の負け組から脱出する投資の思考法』(ダイヤモンド社)
『勝てるROE投資術』(日本経済新聞出版社)
『ROEを超える企業価値創造』(日本経済新聞出版社)(共著)
『2021年相場の論点』(日本経済新聞出版社)
『利回り5%配当生活』(かんき出版)
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