先週末の米国市場では予想を下回る経済指標の発表などを受けてダウ平均は4日続落し、ほぼ3週ぶりの安値で終えた。ドル円は113円台前半まで円高に押し戻された。週明けの日本株市場は続落で始まる見通しである。

日本は決算発表もほぼ一巡して手掛かり材料不足。週を通じて上値の重い展開となりそうだ。

主な予定を確認すると、中国では15日に主要指標の発表集中日を迎える。4月の鉱工業生産、小売売上高、1-4月固定資産投資が発表される。ユーロ圏では16日に1-3月期の実質GDP成長率(改定値)が発表される。米国では16日に4月の住宅着工件数と鉱工業生産の発表がある。日本では17日に3月の機械受注が発表される。

今週の経済指標で注目は18日に発表される日本の1-3月期の国内総生産(GDP)速報値。民間シンクタンク11社が予測した1‐3月期のGDPの平均は、実質で前期比0.5%増、年率換算で1.9%増。この通りとなれば約11年ぶりに5四半期連続のプラス成長となる。アジア向けなど輸出が伸びたほか、個人消費が持ち直したことが背景にある。

米国ではトランプ米大統領によるコミー前米連邦捜査局(FBI)長官の電撃解任がどのような展開をみせるか不透明感が高まっている。米大統領選へのロシア関与疑惑を巡る捜査を妨害するためだとの臆測が広がるなか「第二のウォーターゲート事件」に発展する懸念も台頭、政権を揺るがす火種となりかねない。

円安も思ったほど進まないなか、外需銘柄は買われにくい。今週は基本的に調整局面、物色の中心は内需ディフェンシブ系だろう。

日経平均の予想レンジは、1万9600円~2万100円としたい。