お節介な先輩である我々は、母校の中高生相手に、卒業生の中から興味のある、或いは興味を持ちそうなキャリアの人を選び、土曜の午後に学校で講演会を開催する、というややこしいことをしています。この土曜日には、医学部を出て脳神経外科医をしたのち、アメリカでも医療の研究をし、その後マッキンゼーでコンサルをし、今は医療系スタートアップの代表をしているという目立つキャリアのT氏と、このT氏と同じ大学を卒業後、アニメ業界に入り、今では超人気アニメ作品のプロデューサーをしているH氏という、全く違う情熱とキャリアを持っている二人が、100人以上の後輩の前でそれぞれ講演をし、質疑応答をするという企画を実行しました(注:私が実行したのではなく、母校を想う卒業生が自発的に行っていることであり、私はちょっとだけ関与し、その現場を覗きに行っただけです)。

暑苦しい土曜の午後に、2時間半の講演会を、生徒たちはとっても真剣に、熱心に聞き入り、多くの質問をし、更に講演会後も長蛇の列をなして講演した先輩に質問をぶつけていました。全く違うタイプの二人の先輩が来たことが、それぞれの話を聞きたいという後輩を引き寄せ、全体の参加者が増え、かつ元々興味がなかったかも知れないもう一つの生き方や情熱に触れて、大きな刺激を得るという、とてもいいサイクルが生まれたと感じました。会場の一番後ろで聞いていた私も、大いに刺激を受けました。

やはり知らないことを知ることは、脳を活性化させますね。知ってることではなく、知らないことを追求することを、もっともっとしたいと思います。