【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,085.80  ▼375.12 (4/25)
NASDAQ: 15,611.76  ▼100.99 (4/25)

1.概況

米国市場は決算を発表したメタ・プラットフォームズ[META]が急落したことや、1-3月期の個人消費支出(PCE)物価指数の伸びが加速したことでインフレ懸念が強まったこともあり下落となりました。408ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に706ドル安まで下落した後下げ渋ると持ち直しましたが、節目の38,000ドルを超えたところでは上値が重く結局375ドル安の38,085ドルで取引を終え続落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も100ポイント安の15,611ポイントと4日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

1-3月期の米実質GDP速報値は年率換算で前期比1.6%増と約2年ぶりの低成長となり市場予想も下回りました。同時に発表となった1-3月期の個人消費支出(PCE)物価指数は食品とエネルギーを除くコア指数が前期比年率で3.7%上昇となり、2023年10-12月期の伸びを上回っています。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比5000件減の20万7000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。3月の米中古住宅仮契約指数も前月比3.4%上昇の78.2となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスやヘルスケア、不動産などの6業種が下げ、コミュニケーション・サービスは4%安となりました。一方で素材やエネルギー、資本財・サービスなどの5業種が上げています。

4.個別銘柄動向

フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズが決算で業績見通しが市場予想を下回ったことで急落し10%以上下落しました。また、決算で売上高が市場予想に届かなかったIBM[IBM]とキャタピラー[CAT]も大幅安となりました。IBMが8%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、キャタピラーも7%安となりダウ平均構成銘柄でIBMに次ぐ下落率となっています。一方で取引終了後に決算を発表したマイクロソフト[MSFT]が売上高や1株利益が市場予想を上回ったことから時間外取引で大幅高となりました。同じく取引終了後に決算を発表したグーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]も売上高や1株利益が市場予想を上回ったことや、自社株買いに加え、四半期配当を始める方針を発表したことから時間外で急伸となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%高い4.70%となりました。ドル円は155円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は昨日に大きく下げた反動や、決算を発表したマイクロソフトやアルファベットが時間外取引で大きく上げていることもあり上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか本日は昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表となります。現状維持が大方の見方ですが、わずかながら追加利上げに踏み切るとの見方もあることから結果が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)