東大生の15%が起業に興味があるとのこと。どのようにこの数字を引き出したのか気になりますが、実際、大企業や官庁に行かずに起業しようとか、或いはベンチャー企業に就職しようという選択肢が、以前に比べて随分増えているのだと思います。私が就職した28年前は、外資系という選択肢はほぼゼロに等しかったですが、のちに外資系金融機関は、大学生にとって就職先として普通の選択肢となりました。そして実際に多くの優秀な学生もその業界に入っていきました。今後はベンチャー業界にも、今以上に更に様々な(必ずしも単に優秀とは書いてません)人材が流入してくることでしょう。

外資系金融機関に在籍していた頃、しかし或ることを憂えたことがあります。これだけの数の(或る意味で)優秀な学生が外資系金融に来るということは、日本社会の他の部分に於ける人材供給が、少なくとも或る程度は収縮している、もしくは偏っている筈で、果たしてそれは日本社会にとっていいことなのだろうかと。特にその頃思ったのは、外資系金融に理系の学生がいっぱい来て、私はもっと製造業にも行って欲しいのになぁ、と感じたことを覚えています。
今の潮流は、きっといいことです。何故ならば、日本に於いては起業に対する興味やリスペクトがあまりにも低すぎたのですから。もっと極端に今の流れが進み過ぎると、弊害も出てくるかも知れません、何故なら社会には様々な役割があり、バランスが重要ですから。しかしまだまだでしょう。

ふと、今私が大学生だったらどうするかなとイメージしてみました。重厚長大伝統型大企業に行って革命を起こすことを考えるかな?いずれにしろ多様性が増えることはいいことです。若い人には色々チャレンジしてもらいたいですね。