東芝が決算訂正を発表しました。利益減額2248億円と云う見出しがおどっていますが、巨額です。様々な問題が議論されていますが、私はひとつ、恐らく今までに語られてこなかった視点を提供したいと思います。
機関投資家は、今までこのことに、一切気が付かなかったのでしょうか?機関投資家の責任、スチュワードシップなどが最近謳われています。或いは企業が上場する際の株価のプライシングに関しても、機関投資家の意見が尊重され、「個人投資家にはプライシング能力がない」などと云われます。果たしてそうでしょうか?オリンパスの時だって、問題をあぶり出したのは、メディアと個人=世間の意見であり、機関投資家から疑義が先ずは投げ入れられたとは聞いていません。
機関投資家のお金は、個人のお金です。機関投資家自体がお金を持っているのではなく、個人から借りたり預かったりしているのです。投資家に関して、プロとアマ、機関投資家と個人投資家を分けて議論することが多くあります。個人投資家保護など、それが意味をなすケースもありますが、全くお門違いのことも多くあると思っています。個人投資家の能力は、機関投資家と同等、場合によってはそれよりも優れると云うことを、ちゃんと認めた上で、様々な制度を作っていくべきだと思います。企業の情報開示に関しても、個人でも分かるように書かせて、なるべく多くの目に見てもらうことで、チェックや牽制を入れる方向が、私は正しいと思っています。