ネット上で話題になっていますが、名門私立進学校である麻布中学が以下のような受験問題を出したそうです。【<問>右図は、99年後に誕生する予定のネコ型ロボット「ドラえもん」です。この「ドラえもん」がすぐれた技術で作られていても、生物として認められることはありません。それはなぜですか。理由を答えなさい。】なるほどー、中々面白い問題です。
科学的な考え方が出来るかを問う問題である、というのが巷間の、或いは受験産業界での、評価のようです。この問題は大きな問題の中の小問で、その大きな問題の問題文の中には、地球上の「生物」に共通する特徴として、(1)「自分と外界とを区別する境目をもつ」、(2)「自身が成長したり、子をつくったりする」、(3)「エネルギーをたくわえたり、使ったりするしくみをもっている」の3つが挙げられており、塾関係者は、ドラえもんは(2)を充たさないので生物でないと答えるのが正解であると解説しているようです。
うーむ。面白い問題ではあるけど、本当にこれが科学者としての資質を探している問題なのか、個人的には疑問があります。地球上の生物の特徴を充たしていないからと云って、生物でないと云えるのか?地球上に存在しない元素でも、元素は元素。そもそも、塾関係者の解説が正しいとすると、考え方を問うていると云うよりも、知識(地球上生物に関する知識)、もしくは受験テクニック(問題文の中に正解のヒントが隠れている)を測っていることにならないでしょうか?知識やテクニックよりも、想像力や創造性を測ることの方が重要ではないでしょうか。もっと自由な回答があっていいと思います。どうせ我々は未だ地球上生物の特徴を知っているだけであって、生物自体の定義も出来ていない訳ですし。
麻布中学自体は「問題の解答や意図の解説は一切しません」と答えてるとのこと。そりゃそうですよね。麻布中学は母校ではありませんが、既存の科学者や教育者の常識を根底から覆すような科学者の卵を育てて欲しいと思います。